品川駅西口は「日本の顔」 国道の真上の「近未来ターミナル」全貌あきらかに
国道の真上を活用する新しい「駅前広場」が品川駅に整備されます。新たな都市交通ターミナルや「日本の顔」となるシンボル空間が創出されるとか。どのような計画なのでしょうか。
品川駅西口駅前広場のデザインコンセプトが明らかに
リニア中央新幹線の始発駅となる品川駅が今後、様変わりしそうです。国土交通省 関東地方整備局は2023年6月、国道15号(第一京浜)の上空を活用して整備する品川駅西口(高輪口)駅前広場のデザインコンセプトを公表。新たな「日本の顔」となるシンボル空間を創出するとしています。
山手線(画像:写真AC)。
デザインコンセプトは「ミチウエ&スクエア&品川」。「ミチウエ」は道路(ミチ)の上部空間(ウエ)を活用して駅前広場を整備することにちなんでいます。周辺開発と一体的なデッキネットワークが構築され、駅から国道上空のデッキを通じて、西口に移動できるようになります。
デッキ上には「日本の顔」となるシンボル空間を目指し、巨大な屋根が設けられる計画であることが明らかになりました。かつて東海道品川宿の軒が連なっていた様子を大屋根で再現する想定です。
現在、第一京浜(国道15号)に面している品川駅西口(高輪口)の駅前広場は狭く、バス乗り場などが分散しています。客待ちタクシーが車線を塞いだり、バリアフリーも不十分であるなど、多くの課題を抱えているといいます。そこで、駅前広場は道路の真上に新たな“交通結節点”として整備されることが特徴です。
デッキ階(2階)には、高輪ゲートウェイ駅方面などに向かう歩行支援・乗合型の新たなモビリティのほか、タクシー、BRTなどの乗り入れを想定。地上階(1階)には、バスや自家用車、タクシー、シェアサイクルなどの乗り場が配置されます。北側のデッキの供用は2020年代後半、デッキネットワークの概成は2030年代後半を見込んでおり、段階的に整備されます。
災害時には、デッキ階を一時避難場所や救急活動の拠点として活用し、交通・災害情報の提供を行うことを視野に入れています。地上階は鉄道不通時の代替バスの乗降場として活用することも想定しています。
ちなみに、この構想を検討する会議には国交省や学識経験者のほか、オブザーバーとして東京都、港区、UR都市機構、京急電鉄、東京メトロ、JR東日本、西武リアルティソリューションズなどが参加しています。
関東地方整備局は、今回のデザインコンセプトを踏まえ、交通広場デッキの詳細設計や交通広場の建屋・屋根の建築設計などを進めていくとしています。