さらば“灼熱地獄”配送トラック「車内でクッキーが焼けた」と噂も 米UPSが全車にエアコン設置へ
世界的な運送会社となっているアメリカのUPSが、今後に購入する配送車に、エアコンをつけることを発表しました。逆に、これまでエアコンがなかったのでしょうか。
え! 今までなかったの!?
アメリカの運送会社で世界展開もしているUPSは2023年6月13日、従業員に対する重要な安全対策について発表しました。それは全ての配送車にエアコンをつけるということです。
UPS配送車のイメージ(画像:UPS)。
実は、アメリカで配送業務を行っているUPSの車両には、車内にエアコンがついていない車両が多数あるそうです。昔はそれでよかったのかもしれませんが、近年は日本のように、ヒートアイランド現象や熱波に悩まされる都市部も多く、夏場の気温上昇により熱中症になる従業員が多く出ています。中には熱中症が原因と疑われる死亡事例も発生するなど、同社の車両に空調設備を追加して欲しいと求める声は強くなっていました。
このエアコンのないUPSの車両に関しては、後部の荷台のエリアは華氏120〜130度(約48〜54℃)になるというドライバーのTwitter投稿もあり、なかにはクッキーや肉が焼けたという話もあるようです。
アメリカ国内の報道によりますと、これまでUPSは、配送業務に関しては頻繁に停車する必要があり、ドアの開閉が行われるため空調が効かなくなることを理由に、エアコンを設置していなかったようです。しかし、競合他社がエアコン完備の配送車両を使っていることから、装備に踏み切ったと見られます。
発表内容によると、2024年1月1日以降に購入されるUPS配送車両に関しては、キャブ内の空調設置が義務付けられるそうです。また、同社が保有する車両の大部分を占める、車内から荷台に移動できるウォークスルーバンに関しても荷台と運転席の空気循環を作るために、2台のファンを設置するなどして対応するようです。
ちなみに日本でも、30年以上前にはエアコンをつけていない車両も多かったようで、地獄のような暑さだったと回想するドライバーさんの話などもネットでは確認できます。なお、最近の車両でも、冷凍車・冷蔵車の場合、荷物の冷却の方に電力が取られているため、効きづらいということはあるようです。