1隻だけではどうにも…。

ウクライナ海軍の旗艦になる予定

 ウクライナ海軍司令官のオレクシー・ネイジパパ中将は、現地時間の2023年7月2日、トルコに発注中であるアダ級コルベットの準同型艦「ヘーチマン・イヴァン・マゼーパ」が2024年にも就役予定であると、同国国防省系メディアの取材に応じ明かしました。


「ヘーチマン・イヴァン・マゼーパ」の艦橋部分(画像:ウクライナ大統領府)。

 同艦はトルコ国内で2022年10月に進水式を終えており、式典にはウクライナのオレーナ・ゼレンシカ大統領夫人も出席しました。

 報道によると、艤装などは予定よりも早いスケジュールで進んでいるそうです。就役後同艦はウクライナ海軍の旗艦になる予定です。

 同艦は76mm単装速射砲を1門と、対艦ミサイルや巡行ミサイルの発射能力などを持ちます。また対潜攻撃能力も備えられているようで、ウクライナ海軍では貴重な対潜水艦戦力となります。

 ネイジパパ中将は今回の取材で、「国家指導部の側には、我々(海軍)が強力な艦隊を将来的に構成することに支持と理解がある」と、就役近づいた同艦は強い海軍を作るための第一歩と答えています。

 ただ、ウクライナ海軍は2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻後、唯一の大型艦であったフリゲートの「ヘーチマン・サダハーチヌイ」を自沈させています。また、ミサイル巡洋艦「モスクワ」の同型艦である「ウクライナ」も未完成のまま就役せずに放置されており、現状でまともな戦闘艦はゼロになっています。

 なお、ロシアに侵攻される以前にウクライナは「ヘーチマン・イヴァン・マゼーパ」と同規模のコルベットを国内外の造船所で建造し、4隻保有予定でしたが、現状同艦しか完成しておらず、強い艦隊を保有する道のりは長く険しいものになっています。