果敢な逃げでCBC賞制覇 僅か7頭の中から重賞ウイナー誕生
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・7/2 CBC賞(GIII・中京・芝1200m)
好スタートからハナを奪ったジャスパークローネがマイペースに持ち込み、サンキューユウガの追撃を1/2馬身抑えました。フロステッドを父に持つ外国産馬で、2歳時の2021年3月、米フロリダ州で行われたOBSマーチセールにおいて、森秀行調教師が9万ドル(当時のレートで約1000万円)で落札しました。このセールで森調教師は8頭購買し、ジャスパークローネの価格は下から2番目。決して高馬ではありませんでした。父フロステッドはタピット(3年連続米チャンピオンサイアー)の息子で、アメリカで走りダートG1を3勝。4歳時のメトロポリタンH(米G1・ダート8ハロン)は後続に14・1/4馬身差をつけ、1分32秒73という驚異的なタイムを計時しました。
このときのべイヤー指数「123」は、2000年以降では全米5位タイという優秀なものです。種牡馬としては目立った存在というわけではなく、2022年の北米種牡馬ランキングは43位、今年は現在28位です。わが国で走った産駒は7頭で、そのうち3頭が勝ち上がり、芝で勝ったのはジャスパークローネのみ。母の父キトゥンズジョイは芝適性を伝える種牡馬で、その特徴が影響しているのでしょう。
◆今週の血統注目馬は?
・7/8 マカオジョッキークラブトロフィー(1勝クラス・中京・芝2200m)
中京芝2200mに強い種牡馬はエピファネイア。2013年以降、当コースで産駒が20走以上した33頭の種牡馬のなかで連対率29.4%は第4位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワンです。ブライトジュエリーは新馬戦を勝ったあとフローラSで3着と健闘。キャリア不足を能力の高さで補いました。ここに入ればスケールの大きさで上回りそうです。