ゴールデンウィークも後半戦。今年はさまざまなところにおでかけをした人、これからする人も多いのでは? 「50代女性こそひとり旅を」と勧めてくれたのは、ブロガーの中道あんさん。今回は、ひとり旅のメリット、出かけ方などを教えてもらいました。

50代こそ、ひとり旅の絶好のタイミング

今年は一人旅をたくさんしたいなと思っています。いつか行ってみたいと思いつつも、コロナだなんだと理由をつけて先延ばしにしていたら、数年行動を起こせずにいました。今はコロナも落ち着いたものの、世界経済も大きく変わりましたよね。このように、いつなにかが起こるかわからないことを知ったため、先延ばしはしないようにしようと思いました。50代後半はそれほど若くもないです。駅の階段でスーツケースを下げながら登っていくのが思いのほか大変。今こそ旅行適齢期だと実感します。

●ものより体験にお金をかけたい

若い頃は、やれバッグだ洋服だと欲しいものがたくさんありました。それが年齢を重ねるほどに購買意欲は薄れていき、その代わりに、体験にお金をかけるようになります。子どもの頃にあった好奇心が、子育てが離れたと同時にむくむくと湧きあがってきたからです。はじめてのお使いはさせるほうも、やるほうもドキドキしますが、まさに今は「ひとりでもできるもん」に喜びを感じます。もともと群れるのが苦手なほうなのでひとりが落ちつきます。

なのに、旅だけは誰かとするものであってひとりぼっちでするもんじゃないと思っていました。でもやってみたら、なんのことはありません。風景も空間も食事もどれもひとり占めの贅沢さを味わえます。旅を通してこれまでとは違う「ひとりの時間」を過ごしてみる。すると新しい自分やことに出会えます。

●非デジタルネイティブだからこそ、ひとり旅がワクワクする

私たち50代以降の年代は、頭の老化の兆しが見え始めたころにスマホやインターネット技術が加速度的に普及しました。本当に、ついていけてない人もいるし、あえて知らんぷりを決め込む人も多いです。何か新しいことを始めてみたいと思っていてもPCが使えないから。IT用語がちんぷんかんだからといって諦めてしまいます。どうしても必要にせまられたら、自分で調べずに、誰かに教えてもらおうとします。

以前、ひとり旅をしたとき、地方のローカル駅で不安になりました。いったいどのホームでどの電車にのればいいのかわからず、近くにいた若者に聞きました。するとその若者は、即座にスマホで検索してくれたのです。そのときハッと気づいて「自分で調べればよかった、ごめんなさい」と恥じました。
これからをイキイキと輝いていくためには自分のしたいことは、まず自分で調べる姿勢が必要です。非デジタルネイティブだからこそ「ひとり旅」で楽しみながら初めてをどんどん体験して好奇心を育てていく。すると、新しい風が入り内面が活性化されて自信と若さを取り戻せる気がします。

●はじめは近場の温泉から

とはいえ、いきなり海外旅行というのはハードルが高いものです。なので近場温泉にひとりで行ってホテルステイがおすすめです。いつも家族の世話を焼いてばかりの私は、自分のためだけのおもてなしに感動して涙が出そうになりました。「私だけこんなぜいたくをして悪いな」と思う気持もあるでしょうが、自分が喜んでいる姿こそ家族の喜びなんですね。なので大いに羽を伸ばしたほうがいいのです。
まずは、自分にお金と時間をかけてもいい! と思えるようになることが大事です。慣れてきたら、計画を立てて遠出をしてみましょう。

●行きたい場所のリストをつくろう

SNSが盛んな時代。フォトジェニックな情報が溢れています。「あっいいなぁすてき!」と思ったら、Googleマップで検索して保存しておきます。友人で旅好きな人がいて、彼女からフランス旅行のお土産話を聞かせてもらったときのこと。片手にもっていたGoogleマップは旗だらけになっていました。行きたい場所に旗をたて、どのようなルートで回れば効率的か考えて旅プランを立てたのだそう。「賢い!」と思いました。
私はというといつも行き当たりばったり。プランなど立てたことがありません。それはそれで、楽しいのですが、とても非効率。しかも、時間がたつと行きたいと思っていた場所を忘れています。

そこでGoogleマップの登場です!

・雑誌やSNSから行きたい場所をGoogleマップ上でマッピング

・「経路」「通話」「保存」「場所を共有」などのうち「保存」をタップ

・「行きたい場所(旗のマーク)」を選んで「完了」をタップ

・リスト保存完了

たとえば鎌倉だったらリストに【鎌倉】と名前をつけて保存しておくとさらに便利です。時々リストを眺めては、旅の気分に浸れますし、行きたい気持ちを再確認できます。

地図を眺める癖がつくと、方向音痴も改善されるのではないでしょうか。

●ひとり旅の必須アイテム

ひとり旅の持ち物は最小限にしています。だって、誰も荷物を持ってくれる人はいませんから。重い荷物を下げて階段でも踏み外したら、それこそ大けがになりかねません。旅こそデジタルデトックスでスマホは家に置いておく…なんて言いたいところですが「命の次に大事なのはスマホ」というくらいなくてはならないもの。新幹線や飛行機の予約もチケットもスマホで完結。何かあったらその場で電話ができるのもスマホ。記憶に残すより記録したいスマホカメラ。万が一財布を落としてもスマホ決済でなんとかなる。お財布代わりです。

案外かさばるし重量もあるのが「本」ですが、旅の孤独を紛らわせてくれるのが読書です。それもスマホで完結できますが、やはりページをめくるあの感覚は捨てがたい。ということで1冊だけ持っていきます。

そして大判のスカーフ。季節を問わず1枚あるととても便利です。オシャレアイテムとしても有能ですが、風呂敷にしたり、エアコンの風よけやひざかけにもなります。そして意外に便利な懐紙。コースーターやお手ふき、お皿。テーブルふきんがわりににもなります。

旅のことになると、筆が止まらなくなります。まだひとり旅をしたことがないのであれば、ぜひ行きたいところリストからつくって、楽しみからつくってみてくださいね。