宗教やマルチ商法、儲け話やセミナーなど、怪しい勧誘を受けたESSE読者の体験談をご紹介します。見ず知らずの人ならば無視もしやすいですが、もし、勧誘してきたのが学生時代の友人だったり、職場の仲がいい同僚だったら、どう対処しますか?

「数千万稼げる」怪しいビジネスや宗教の勧誘

学生時代の懐かしい友人。久しぶりに連絡が来たと思ったら、じつは怪しい勧誘だったというケースが増えています。

●選挙のタイミングで、連絡してくる学生時代の友人

「高校の友達から急に電話があり、選挙が近かったのでだれに投票するのか聞かれたり、宗教のことを聞かれたりしました」(岐阜県・36歳)

「選挙の度に実家を訪問してくる同級生がいます。親には『絶対に私の今住んでいる場所や携帯番号は言わないで』と伝えてあります」(東京都・28歳)

●実家にいる80代の祖父が「うっかり携帯の番号を教えてしまった」

「ある日、おじいちゃんから電話がかかってきて『お前の同級生だという〇〇という男から電話があって、緊急だとか同窓会だとか、とにかくすぐ連絡を取らねばならないと言葉巧みに言われて、うっかり携帯の番号を教えてしまった。申し訳ない』と言われました。すでに私の両親から『なんでそんな怪しい男に番号を教えたんだ』と祖父はこってり怒られた様子で、とても反省していて気の毒なくらいでした。後日、その○〇君から連絡があったのですが、結局マルチの勧誘でこちらも心の準備ができていたのでキッパリ断り、着信拒否にしました」(東京都・37歳)

昔の連絡網や卒業アルバムの情報をもとに連絡をいれているのでしょうか。実家などの固定電話にかけて、家族から携帯番号を聞き出されるケースは要注意ですね。
ほかにも働き盛りの世代を狙った怪しいビジネスの勧誘が多発しています。

●友達だと思っていたのに、マルチに勧誘されてしまった

「同級生の男子がマルチ商法で有名な会社の洗剤の購入を誘ってきました。でもねずみ講だと言って即断りました」(埼玉県・49歳)

「21歳のときに、中学の同級生から久しぶりに会おうと言われ会ったら、化粧品や美容機器を紹介されて、そのサロンに行きました。よさそうかなと思い、そのまま3万円ぐらいの化粧品と9万の美顔器を契約…。その後、今度は高校時代の友人から同じように誘われたら同じ化粧品の別の店舗で、さすがに断りました。そして、中学時代の友人も高校時代の友人も、その後は一切連絡を取らなくなりました」(岐阜県・39歳)

●会社を辞めたとき、連れて行かれた場所は宗教

「短大を卒業し、新卒で入社した会社を一年ほどで辞めてしまいました。そのとき同期だった女の子に遊びに行く感じで誘われて、連れて行かれたのが宗教団体でした。いろいろな人の話を聞かされて『すごくためになるでしょ?』と。なんの説明もなく連れて行かれたので、それから彼女からの連絡は断ちました」(兵庫県・46歳)

退職や転職、GWや夏休みなどの長期連休明け、環境の変化が大きくストレスがかかりやすい春先を狙って、勧誘活動が激しくなる傾向があるようです。

●当初と目的が違う!着物やフライパンを買わされそうに

「職場の後輩から食事に行かないかと誘われ、食事後に着物の展示会に連れて行かれました。主催していたのが宗教団体だったので、これは怪しいとすぐ気づきました。高級着物をしつこくすすめられましたが、着物に興味がなかったので断り続けていると、最後になって『浴衣はどうでしょうか?』とリーズナブルなものを提案されました。なかなか帰してもらえないので、浴衣を購入しようかと一瞬思いましたが、よく考えてなにもいらないときっぱり断りました」(滋賀県・55歳)

「職場で仲よくなった方のお家に誘われて行ったら、『今日は友達も来るの』と言われ、しばらくしたら知らない方が来てマルチで有名な会社の商品をすすめられました。
最初は『料理が好きですか?』と聞かれ、鍋やフライパンをすすめられましたが、関心を示さないようにしていたら、今度は化粧品の話に。『この会社の商品に興味がない』とハッキリ伝えたらあきらめた様子で、それ以上はすすめられませんでした」(東京都・47歳)

このケースでは、事前に相談もなく、急に知らない人が来るという時点で怪しさを感じたといいます。ただ家や会社など、怪しい人たちのテリトリーへ入ってしまった場合、おかしいと気がついてもなかなか帰りにくいですよね。

●友達を呼んでなんとか逃げきった人

「社会人になりたてのとき、軽い気持ちで会員制のバーに足を運んだときに知り合った人。その後お茶をするようになり、親しくなったタイミングで、恋愛の相談がしたいと電話が来て、なにも疑わずに待ち合わせ場所に行きました。すると、そこにはスーツを着た男性と相談相手の友達が。すぐに勧誘だと気づきましたが、男性がいることで逃げられる雰囲気ではなく怖かったです。友達に助けを呼び、なんとか逃げきれました」(北海道・35歳)

有名なマルチ商法の会社だとわかっても、複数人で囲い込まれたり男性がいたりすると、逃げること自体がかなり困難な様子。

●「尊敬する人」や「すごい社長」の怪しいセミナー

「学生時代の友人から『尊敬する人のセミナーがあるから一緒に行こう』と誘われました。特別親しい友人ではなく、複数人で遊ぶ位の友人だったため、『なんで私?』と驚き。共通の友人に何気なく話したところ、『それはマルチのセミナーだよ』だと教えられ、本人には資格試験の勉強が忙しいと伝えて断りました。その後、何度も誘いが来て、閉口しました」(埼玉県・43歳)

「親友グループの一人に、『すごい社長の無料の経営塾があるから行かない?』と誘われ、名前を調べるとネット上ではネットワークビジネスの名前が出てきて、『少し考えるね!』と伝えると、『チャンスは今回しかない』とか、『ネットに書かれてるけれど本当はそうじゃない、人生の成功と失敗の法則を学べる』とか『数千万稼げるようになる』などといろいろ言われました。今幸せだから大丈夫と返したら、それからあっさり退散しました」(長崎県・40歳)

本当に有益な情報が得られるセミナーや勉強会なら、友達を誘わずとも一人で行けばいい話です。集客ノルマを信者に課しているケースもあり、しつこく知り合いを呼び込もうとするケースや「お金はいらないから、名前だけ登録させて」と頼み込まれたという人も。

人助けだと思って、怪しいのを承知で出かけてみたら、仮想通貨やFXの勧誘をされたという話もありました。

●「興味がない」とキッパリ断る勇気をもつ

「大学時代にマルチや宗教の集まりによく誘われて、飲み会だと思って行ってから気がついたことが何度もあります。お酒が好きなので愛想はよくしていますが、連絡先を教えない、興味がまったくないですと伝えて帰ることを徹底していました」(滋賀県・35歳)

勧誘してきた人が、たとえ親しい人や、友人、知人、職場の同僚であったとしても、怪しいビジネスや宗教には近寄らないことがいちばん。

おかしいと思っている以上、ハッキリ「NO」と言ってその場を立ち去る勇気を持つことが大切です。