08年ユーロ・オーストリア・スイス共催大会出場に向け2日、予選B組イタリアはリトアニアと対戦、1−1の引き分けに終わった。代表主将ファビオ・カンナバーロの生まれ故郷ナポリ、サンパオロ・スタジアムには47237人の熱狂的サポーターがW杯王者アズーリ(イタリア代表)を大歓迎したが、各下相手に貴重な勝ち点「3」を彼らにプレゼントする事は出来なかった。

W杯優勝メンバーも大半が代表に復帰、ホームでの一戦に付いたオッズは「イタリア勝利×1.15、引き分け×6.5、リトアニア勝利×14(SNAI)」。王者のまさかの引き分けに翌3日、現地メディアから厳しい批判が飛び交った。コリエレ・デッロ・スポルト紙一面は「目を覚ませ。フランスが待っている」、6日にパリで行われるフランス戦を引き合いに出して不甲斐ないアズーリに渇を入れた。

ドナドーニ・アズーリに対する批判の嵐が渦巻く中、15ヶ月振りに代表復帰を飾ったカッサーノ(24=レアル・マドリーFW)への評価は鰻登り。イタリアを代表するスポーツ紙ガゼッタ・デッロ・スポルト、コリエレ・デッロ・スポルト共にカッサーノへの採点は「7」、MVPに選出している。試合後ドナドーニ監督も「カッサーノ?何度も決定機を演出した。最後まで継続する体力が戻れば、誰も彼を止める事は出来ない」と“早熟の天才”復活に太鼓判を押した。

W杯後、他国が再出発に向け始動するのとは対照的に優勝ムードに浸り続けたアズーリ。リッピ前監督から「まだ若い。次回を狙って欲しい」と言われ、ドイツへ行く事が許されなかった問題児カッサーノ。ユーロ大会出場に向けスタートからつまずいた感のあるアズーリだが、成長した姿を披露したカッサーノへの期待は膨らむ一方だ。