チャタテムシが発生する原因と対策 駆除・予防方法をわかりやすく解説
古い本の中に小さな虫を見かけることはありませんか。また、和室の畳の間に同じような小さな虫を見かけたこともあるのではないでしょうか。それはチャタテムシと呼ばれる昆虫で、大量に発生すると非常に不快です。
今回はチャタテムシの生態や駆除方法と合わせ、発生を予防する方法についても解説します。
チャタテムシはどんな虫?
チャタテムシは、畳のある和室や古本のある本棚などに繁殖する、体長1㎜~1.5㎜ほどの小さな昆虫です。身体の色は褐色で、羽がないのが特徴です。カビやホコリを好み、製本するためのノリも餌とすることから、英語では「Booklouse(本シラミ)」とも呼ばれています。
チャタテムシはしばしばダニと間違われますが、たいていのダニは肉眼では見えません。
ちなみにチャタテムシという名前は、チャタテムシの一種である「スカシチャタテ」の動く音が、茶筅(ちゃせん)でお茶を点てるときのように聞こえるのが由来といわれています。
チャタテムシは世界で2,000種類以上生息しているとされ、そのうち日本で確認されているのは約10種類です。なかでも代表的なのは「ヒラタチャタテ」です。
チャタテムシが発生しやすい場所
チャタテムシは「湿気がたまりやすい場所」や「ホコリや食べかすがある場所」に集まるといわれています。チャタテムシを発生させないようにするためにも、具体的にどのような場所を好むのかについて知っておきましょう。
ダンボールを置いてあるところ
チャタテムシが家の中に侵入する経路の一つになっているのがダンボールです。よく資源ゴミに出す前に、ダンボールをまとめて家の中に置いたままにしていませんか? チャタテムシは折り目や中芯に隠れているので、届いたタンボールの荷物を長時間放置するのは危険です。
ダンボールはなるべく畳の上に直接置かないように気を付け、ゴミに出すまではベランダや外に置いておくようにしましょう。
本棚・押し入れ
読まなくなった古い本が本棚に大量にあると、チャタテムシが発生する原因になります。湿気を好む習性から、暗くて湿気の多い押し入れもチャタテムシの発生場所になりがちです。
和室
チャタテムシは畳をすみかとするため、和室のある家は要チェックです。さらに畳の上にカーペットなどを敷いていると、湿気がたまりチャタテムシの温床となることもあります。
畳の上にはできるだけカーペットなどは敷かないようにしましょう。さらに、和室の襖や壁紙にも発生するので注意しておきましょう。
キッチン
チャタテムシは乾燥した食品を好みます。ビスケットやスナック菓子などは大好物なので、そのような食品があるキッチンも注意が必要です。
チャタテムシが好むのはお菓子だけではありません、小麦粉や乾麺などにも発生するため、流し台の下など暗く湿った場所に保管していると、チャタテムシが大量に発生してしまうことにもなりかねません。
チャタテムシによる被害
チャタテムシが発生すると、人体にどのような被害があるのでしょうか。
チャタテムシは、人を咬んだり刺したりすることはなく、病原菌の媒介の心配もありません。また、毒性もありません。
とはいえ、アレルギーの原因となり得るので、喘息やアトピー性皮膚炎などの持病がある人は注意しましょう。放置しておくと、チャタテムシを餌とするツメダニが繁殖し、2次被害を生む可能性もあります。ツメダニもアレルギーの原因になるほか、人を刺して皮膚炎を発症することもあります。
チャタテムシの駆除方法
もしチャタテムシが発生してしまったら、どのように駆除すればよいのでしょうか。
ここではチャタテムシの駆除方法をいくつか紹介します。
くん煙剤で駆除
ゴキブリなどと同じように、市販のくん煙剤を使って駆除する方法があります。実は、この方法が最も効果的といわれています。
バルサンの効果は1ヶ月程度といわれているので、1回使用してから2週間後くらいにもう一度くん煙剤を使うことで、卵まで駆除できます。
殺虫スプレーで駆除
チャタテムシがどこに湧いているかわかっているなら、殺虫剤を直接吹きかけて駆除できます。利用する殺虫剤は、エアゾール式がおすすめです。
押し入れやクローゼットの奥など、手の届きにくいところにも殺虫スプレーが有効です。
なお、殺虫剤を使用する際には、くれぐれも窓や扉を開けた換気のよい状態で行うようにしてください。
アルコールスプレーで駆除
キッチンなど飲食物のある環境では、殺虫剤の使用は避けたいという人もいるでしょう。その場合は、アルコールスプレーでも駆除できます。また、チャタテムシはカビも餌にするため、キッチン周りや和室などは、掃除したあとにアルコールスプレーを吹きかけてカビの発生を防ぎましょう。
チャタテムシを寄せ付けない予防法
チャタテムシを発生させないようにするには、掃除と乾燥を徹底して行うのがポイントです。
チャタテムシは湿気やホコリを好み、カビを餌として繁殖するため、これらを除去することを考えましょう。
ダンボール・古紙は室外に出す
上で説明したとおり、ダンボールはチャタテムシが発生しやすい環境の一つです。ダンボールや古い紙をそのまま部屋の中に放置するのは避け、まとめて家の外か玄関先に出しておきましょう。
また、本棚に古い本がたくさん保管されていると、チャタテムシの温床となるので、定期的に本棚のある部屋の換気を行いましょう。あわせて、押し入れも換気しておくことをおすすめします。
結露対策を行う
冬場は全体的に乾燥している季節ですが、部屋の中と外との気温差により窓に結露が発生し、室内に湿気がたまることがあります。結露が発生したら、こまめにタオルや雑巾などで拭きとるようにしてください。
食品は密閉保存
チャタテムシが好む乾燥食品が多く保管されているキッチンは、気がつけばチャタテムシの温床になっているというケースもあります。乾燥食品は必ず密閉容器に保存するようにしてください。
開封したあとのお菓子やパスタなどの乾麺、小麦粉などは特に要注意です。必ずタッパーウェアか、ジッパーのついている保存袋に入れておくようにしましょう。
まとめ
見た目が不快で、アレルギーの原因ともなるチャタテムシは、小さい子どもやアレルギー体質の人がいる家庭などでは大敵になりかねません。徹底的に駆除・予防することを心がけましょう。
普段から、チャタテムシを発生させないようにするのも重要です。キッチンや和室、押し入れ、本棚など危険な場所はたくさんあります。また冬場の結露にも注意しながら、日々予防することを忘れないようにしてください。