ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した天王星の最新画像

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【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で2022年11月に撮影された天王星(Credit: NASA, ESA, STScI, A. Simon (NASA-GSFC), M. H. Wong (UC Berkeley), J. DePasquale (STScI))】


アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の「ハッブル」宇宙望遠鏡は、巨大ガス惑星の大気の変化を捉える「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」プログラムのもとで、木星・土星・天王星・海王星の観測を2014年から毎年行っています。


冒頭の画像は、2022年11月10日にハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で撮影された天王星の姿。淡い水色が美しい天王星、その右側は白い帽子のような雲に覆われています。ハッブル宇宙望遠鏡を運用する宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、これは都市上空のスモッグのように光化学的に生成された高高度のヘイズ(もや)です。ヘイズの縁のあたりには小さな嵐も幾つか写っているといいます。


太陽から約20天文単位(※)離れている天王星は、公転軌道を1周するのに約84年かかります。そんな天王星の自転軸は公転軌道に対して約98度傾いているので、天王星の北半球と南半球では太陽に照らされる期間と照らされない期間がそれぞれ42年間も続くことになります。


※…1天文単位(au)=約1億5000万km、太陽から地球までの平均距離に由来。


天王星は2007年に春分を迎えました。それから16年が経った現在の北半球の季節は夏で、2028年には夏至を迎えます。STScIによると、北極周辺を覆う極冠のようなヘイズは年々その明るさを増しており、天文学者たちは天王星の極域に対する大気循環、粒子の性質、化学プロセスなどの影響を解きほぐしながら理解しつつあります。


また、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像には天王星の細い環も捉えられています。夏至が近付くにつれて北極域のヘイズはさらに明るくなり、地球からは天王星の北極域と環が正面から見えるようになります。次の画像は2014年11月と2022年11月に撮影された天王星を比べたものですが、巨大な白い雲と環を真っ直ぐ地球に向けた数年後の天王星の姿もまた楽しみです。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で2014年11月(左)と2022年11月(右)に撮影された天王星を比較した画像(Credit: NASA, ESA, STScI, A. Simon (NASA-GSFC), M. H. Wong (UC Berkeley), J. DePasquale (STScI))】


北半球の夏が近づく天王星を捉えた画像は、NASA、ESA、STScIから2023年3月23日付で公開されています。


 


Source


Image Credit: NASA, ESA, STScI, A. Simon (NASA-GSFC), M. H. Wong (UC Berkeley), J. DePasquale (STScI)NASA - Hubble Monitors Changing Weather and Seasons at Jupiter and UranusESA - Hubble monitors changing weather and seasons on Jupiter and UranusSTScI - Hubble Monitors Changing Weather and Seasons at Jupiter and Uranus

文/sorae編集部