アメリカグマの子供を抱くニューメキシコ州漁業狩猟局のスタッフ。自然保護官の仕事は多岐にわたるが、広報担当者は「クマの行動や個体数について研究しています。より多くの関心と資格のある人に来てもらいたいですね」と語っている(画像は『New Mexico Department of Game and Fish 2023年3月14日付Facebook「Now hiring professional bear huggers.」』のスクリーンショット)

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米ニューメキシコ州では現在、自然保護官のユニークな求人募集が行われている。一生に一度の経験ができ、しかも可愛い赤ちゃんグマを抱っこできることで注目を集めているようだ。応募には体力などの条件を満たさなければならないが、何よりも「冒険心」を持っていることが必要だという。米ニュースサイト『New York Post』などが伝えている。

米ニューメキシコ州漁業狩猟局が現地時間3月13日、Facebookで「クマを抱っこするプロ」として自然保護官を募集していることを伝え「一生に一度の経験ができるチームにぜひ参加してください」と呼びかけた。

とはいえ自然保護官の仕事はクマを抱っこできるという魅力的なものだけではないようで、募集ページには「狩猟・漁業法の施行が主な責務」と記されている。

過酷な環境下でハイキングができ、クマの巣穴に潜り込む勇気があること、一緒に働く同僚との信頼関係が築けることが応募の条件という。米ニュースサイト『New York Post』によると、応募資格として自然資源保護や生物科学、または関連分野での経験や教育を受けていなければならないそうだ。

また応募者は面接の前に、体力テストを受けなければならない。1分間で15回以上の腕立て伏せ、1分間で27回以上の腹筋、そして300メートルを71秒以内で走ることができれば合格ラインとのことだ。

採用者には銃器やボートの操作などを約1年間かけて訓練するそうで、応募期限は3月30日までとなっている。

なお投稿には、同局のスタッフが冬眠中のアメリカグマの子供を巣に移したと思われる数枚の写真が添えられている。あどけない姿の子グマは毛布に包まれており、可愛らしい足の肉球も写っていた。

ニューメキシコ州漁業狩猟局の広報担当者は、米ニュースサイト『Fox News』のインタビューに応じ「応募者は、前向きな姿勢と労働倫理を持っていることが条件です。ニューメキシコ州内の遠隔地にて単独、あるいはチームの一員として働く能力が必要です。それに冒険心も必須です」と語っている。さらに今回の求人募集について「調査プロジェクトは、クマの行動や個体数について研究しています。より多くの関心と資格のある人に来てもらいたいと思いました」と説明した。

ニューメキシコ州では1972年にアメリカグマの保護に関する法律が制定されており、ニューメキシコ州漁業狩猟局は州内に6000頭のアメリカグマがいると推定している。同局のウェブサイトによるとアメリカグマは20〜25年ほど生きられるそうだが、同州においてクマの狩猟は合法であり、狩猟が行われている生息域では平均寿命が7〜8歳だという。アメリカグマの死因はハンターによって撃たれることが最も多いそうだ。

今回の「クマを抱っこするプロ」の求人募集には「赤ちゃんグマを抱きしめて、暖かい毛布の中で寝かしつけたい」「赤ちゃんグマの足がとても可愛い」といった声のほか、「私もある研究の一環でクマの赤ちゃんを抱っこする特権を得た時のことを思い出したわ。その子は古い靴下と古くて埃っぽいハーシーズ(Hershey’s)のチョコレートバーのような香りがしたの」といったコメントがあがっている。

画像は『New Mexico Department of Game and Fish 2023年3月14日付Facebook「Now hiring professional bear huggers.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)