アーセナルのDFアシュリー・コールが、チェルシー移籍を断念する可能性が高くなった。移籍期限の8月31日を目前に控え、イングランド屈指の左サイドバックは決断を迫られている。

 クラブ間の正式交渉が開始したことで、イングランド代表DFの移籍は今夏中に決定すると思われていた。しかし、アーセナルは2000万ポンド(約40億円)のオファーを却下し、チェルシー側も金額の上積みを拒否したことで、交渉は暗礁に乗り上げた。また、プレミア王者はユベントスのDFジョルジュ・キエッリーニにターゲットを切り替えたとの報道もある。

 一転して残留が現実味を帯びてきたコール。しかし、アーセナルのピーター・ヒル=ウッド会長が「彼はいい選手だが、残留するなら気持ちを切り替える必要がある。不満を抱えたままプレーしても意味がない」と話すなど、周囲からは厳しい声も上がっている。

 また、移籍を確信していたコールは、9月発売予定の自伝でアーセナルを批判しているともいわれている。現状では、チームメイトや監督だけでなく、サポーターからの信頼も失いかねない状態だ。今週末のEURO2008予選アンドラ戦では、イングランド代表のスタメンに名を連ねる予定。移籍問題の影響から、リーグ戦で出場機会を得られていないだけに、久しぶりの実戦で存在価値をアピールする必要がありそうだ。