将来関空にも乗り入れ…だと?

「LCCとフルサービス両方の良いところをあわせ」

 2020年に「第3ブランド」という仮称のもと設立が発表された、ANA(全日空)グループの新たな国際線航空会社「Air Japan」。2023年3月9日、シートやCA(客室乗務員)の制服など、同社のサービス内容が一部公開されました。就航は2024年2月を予定し「LCCとフルサービス両方の良いところをあわせた新しいビジネスモデル」とするこの新航空会社。どのような内容なのでしょうか。


「Air Japan」サービス発表の様子(2023年3月9日、乗りものニュース編集部撮影)。

「Air Japan」は、これまでANAブランドとして短・中距離国際線の運航を担当してきた傘下の航空会社「エアージャパン」を母体とし、これを発展させた形。飛行機は、すでにANAグループで使用しているボーイング787-8を活用し、東南アジア路線をおもに担当する予定です。

 客室は全席エコノミークラスで、324席を配します。シートはグレーのレザー仕様のもので、座席の前後間隔は、32インチ(約81センチ)。これは一般的なエコノミークラスを上回るものとしています。

 機内モニターはありませんが、スマートフォンやタブレット端末を利用できるよう、Type-AおよびType-CのUSBポートとタブレットホルダ一が備わります。一方で、機内プログラムをスマホで見られるサービスを無料提供し、このほか、地上との通信サービスも装備。後者について、サービス金額がかかるかどうかは後日発表するとしています。

 また、広めの足元と深めのリクイニング設計を採用していることも特徴とのことです。「重視したのは、7時間程度のフライトでお客様が快適に過ごせる居住性で、LCCとは一線を画すゆとりのある空間の実現です」。同社の峯口秀喜社長は次のように話します。機内食は今後メニューが決まる予定としているものの、事前予約・当日購入から選定できるようにするとのことです。

「Air Japan」制服や将来図はどのようなもの?

 これと同時に、CAなどが着用する制服も発表されています。同社によるとそのコンセプトは「多様な人材の活躍を目的に、性別を問わず、コーディネートにバリエーションを持たせ、自分らしく着こなせるポーダレスなデザイン」といいます。

 制服は、ブランドカラーである「藍色」「曙色」を使用し、日本の伝統結び重をデザインに取り入れることで「日本らしさ」を表現したものとのこと。また、たとえばトップスには、ブランドカラーである「藍色」の染めはじめの「藍白」、何度も染を繰り返してできる「濃藍」を用い、濃淡を組み合わせることで、空の色が移り変わる様を表したとのことです。


「Air Japan」サービス発表の様子(2023年3月9日、乗りものニュース編集部撮影)。

 また「Air Japan」の新制服では、ANAグループとしては初めてスニーカーも制服用のシューズとして導入。個人個人の好みに応じ、スニーカーだけでなく、パンプスやフラットシューズ、革靴など複数のタイプの靴から、自らセレクトしての着用を可能とするとしています。

「Air Japan」の峯口秀喜社長は、「運賃については手頃な価格を目指しながら、お客様にご満足いただけるエアラインを目指していきたいです」と話します。なお同氏によると「Air Japan」は、今後は成田空港を拠点に運航を開始した後、同グループのLCC、ピーチが拠点とする関西空港からの国際線便の開設も目指すとのことです。