元イタリア代表FWクリスチャン・ビエリ(33)がセリエA昇格組アタランタと正式契約を結んだ事が29日夜、判明した。アタランタ公式サイト上の発表によると契約内容は「1年契約、月給1500ユーロ(約22万円)」とのこと。度重なる負傷によりドイツW杯出場を逃したビエリは今夏移籍市場序盤にフランスリーグ・モナコからセリエAサンプドリアに移籍したが、快方に向かわない膝の状態を理由に今月10日、クラブとの話し合いを経て異例の契約破棄に終わっていた。

99−00季開幕前、ラツィオからインテルに移籍した際の移籍金は推定50億円〜60億円。当時のローマ法王ヨハネ・パオロ2世が「世の中には貧しい人々が大勢いる。行き過ぎでは」と発言、カルチョ界を取り巻く天文学的な数字に警鐘を鳴らしていた。ここ10年の年俸総額4635万ユーロ(約69億円=ガゼッタ・デッロ・スポルト紙調べ)は世界でも屈指の高給選手、名実ともに最高峰FWとして君臨した。カルチョ・バブルの主役を張った男も怪我に泣き、セリエA選手最低保障賃金となる月給1500ユーロを受け入れ現役続行の道を選択した。

正式契約を受けアタランタ会長イバン・ルッジェーリは「ビエリが厳しい状況下にも関わらずベルガモ(アタランタ本拠地)を選択してくれた事を非常に嬉しく思う」と同サイト上でコメントを載せるとともに、今後も“ビエリ全面協力態勢”方針を発表している。