デカさなら「A380」だろと思いきや、実は5位…?

トップは76.3mの「747-8」ではあるものの

 2023年2月、「ジャンボ機」と呼ばれた巨大機、ボーイング747シリーズが生産終了となりました。747の最終派生型となった747-8の全長は76.3mで、旅客機としては世界最長です。しかし全長だけで見ると、それにも引けを取らない旅客機はまだまだ存在します。どのようなものがあるのでしょうか。


ボーイング747-8 インターコンチネンタル(画像:ボーイング)。

●レア機に終わった「胴体の長い」1階建て機とは

 747-8に次ぐ長さを持つのは、エアバスA340-600。この機は1階建てながら、全長75.3mの全長を持ち、2011年に、ボーイング747-8がデビューするまで世界最長の飛行機でした。しかし、エンジン2発の双発機主流の風潮に対し、A340-600はエンジンを4発搭載。経済性の点で弱みがあった同型機は、97機と少な目の機数で生産終了となりました。

●ボーイングが生み出した「世界最大の双発機」

 A340-600についで胴体が長い旅客機として挙げられるのが、ボーイング777-300シリーズ。その全長は73.9mにもなります。日本でもJAL(日本航空)、ANA(全日空)が用いており、長距離国際線では2023年現在も2社ともに主力機です。また、ANAでは、国内線でも777-300を投入。座席数はボーイング747シリーズに匹敵する514席を配しています。

超長双発機が僅差で追う!

●デカさじゃ負けてない!エアバスの最新大型双発機

 僅差でボーイング777-300シリーズに次ぐのが、エアバスの最新鋭機であるA350-XWBシリーズの長胴型、エアバスA350-1000です。その全長は73.7mで、日本ではJALが2023年度冬ダイヤ中に、羽田〜ニューヨーク線での運航を決定しています(標準型のA350-900は2019年9月から導入済)。新素材(複合材料)を使った胴体と新エンジンが特徴の双発機です。

 ちなみにJALがエアバス機を新導入するのは、このA350-XWBシリーズが初です(統合した会社からエアバス機を引き継いだことはあり)。


手前がJALのA350-900初号機、後ろがボーイング777-300(2019年5月、乗りものニュース編集部撮影)。

●実は長さなら5位?「世界最大の旅客機」

 1階建ての機体が“健闘”するなか、総2階建ての巨大機エアバスA380が時点にランクイン。全長は72.7m。「長さ」では5位なものの、座席数は最大800を超え、離陸重量も最大級。「世界最大の旅客機」として知られています。A380の生産は終了していますが、日本ではANAが成田〜ホノルル(ハワイ)線に3機を投入(就航中は2機)。「フライングホヌ(空飛ぶウミガメ)」の名のもと、各機異なる特別塗装が施されています。

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 なお、このランキングを塗り替えてトップに立つ予定の「超ロングな機体」が現在、開発が進められています。「ボーイング777X」の長胴型、「ボーイング777-9」です。

 その長さは、1位のボーイング747-8の76.3mを上回る76.73m。日本ではANAが発注済みで、2025年度の就航を予定しています。ちなみにボーイングは、これよりもっと長い「777-10」も研究中とされています。