「輸送機のミサイルキャリア化」いよいよ検討加速!?

「C-2輸送機用誘導弾等発射システム」開発始まる?

 防衛装備庁は2023年2月27日、「C-2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得の検討」という業務の契約希望者募集要領を公示しました。これは、航空自衛隊のC-2輸送機に攻撃能力を付与することを視野に入れた検討の一環とみられます。


C-2輸送機(画像:航空自衛隊)。

 日本政府は、昨年(2022年)12月にまとめた「防衛力整備計画」に、敵の脅威圏外から攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」の整備を盛り込んでおり、いわゆるスタンド・オフ・ミサイルを保有したり、潜水艦や輸送機といった「発射プラットフォームの更なる多様化」を目的とした研究開発を進めたりすることを明記していました。

 今回、防衛装備庁が「C-2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得の検討」業務を公示したことは、それに関連した動きと言えそうです。

 輸送機を対象にした攻撃能力の付与をめぐっては、アメリカの大手航空機メーカー、ロッキード・マーティン社がアメリカ空軍とともに、輸送機に大容量のミサイルを搭載可能な「ラピッドドラゴン」の開発を進めています。この新兵器は、輸送機の貨物区画に空中投下が可能なプラットフォームを搭載し、そこから巡航ミサイルなどを発射できるようにするもので、機体の大幅改修を必要としない利点があります。

 今後、防衛省や自衛隊もこうした動きを参考にしながら、日本でも輸送機を攻撃機化する検討が本格化していくと見られます。