栃木市や小山市など6つの市や町にまたがる渡良瀬遊水地で4日、恒例の「ヨシ焼き」が行われ、多くの人が春の風物詩を楽しみました。

 渡良瀬遊水地では午前8時半を過ぎるとヨシ焼きの火入れが一斉に始まりました。カンセキスタジアムおよそ750個分にあたる1500ヘクタールのヨシ原が、火柱と煙に包まれます。

 1950年ごろに始まったヨシ焼きは、ヨシズなどの材料になる良質なヨシを育てるとともに、害虫を駆除するため毎年この時季に行われているものです。

 国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に登録されている渡良瀬遊水地には、絶滅危惧種に指定されている植物も数多く生息していて、ヨシ焼きを行うことで貴重な春の植物の発芽が促されるといいます。

 遊水地のまわりには多くの人が訪れ、ヨシが春風にあおられ燃え上がる圧巻の光景をカメラに収めていました。

 渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会によりますと、見学者は4日夕方の時点でおよそ2千800人と、コロナ禍以降最も多かったということです。