チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、フランス代表のレイモン・ドメネク監督がMFクロード・マケレレを「奴隷扱いしている」と激しく非難した。

 ドイツ・ワールドカップでフランス代表の準優勝に貢献したマケレレは、大会終了後に代表引退を表明。しかしドメネクは、この守備的MFをEURO2008予選のグルジア戦とイタリア戦のメンバーに招集する強硬姿勢を示した。国際サッカー連盟(FIFA)の規定によると、招集を拒否すれば、所属クラブの試合で出場停止処分を受けることになる。

 このフランス代表監督の手法に対し、モウリーニョは嫌悪感を隠さない。

「もはやマケレレはサッカー選手ではない。奴隷だ。彼はフランス代表をワールドカップの決勝戦まで導いた。そして、代表引退を決意したんだ。しかし、ドメネクはこう脅す。『フランス代表でプレーしないのなら、チェルシーでもプレーできない』とね。FIFAの規定がある限り、我々に打つ手はない。選手は奴隷だ。そこに人権はない」

 ドメネクは、招集の意思を直接マケレレとモウリーニョに伝えており、その考えを翻すつもりはないようだ。FIFAの規定では、代表戦1試合の招集拒否で、2試合の出場停止処分が与えられる。守備の要を最大4試合失いかねないポルトガル人監督が、フランス人監督の独裁的な手法に激怒するのも無理はないといえそうだ。