イタリア・スーパーカップの行われた26日夜、セリエA王者インテルが本拠地サンシーロ・スタジアムでイタリア杯王者(インテル優勝のため2位参加)ASローマ相手に4−3大逆転勝利を飾りタイトルを獲得した。今夏の移籍市場で超大型補強を演じたインテルは前半、昨季からのベストメンバーで挑んだASローマに立て続けに3失点。3点ビハインドから前半終了間際に1点、後半に2点を返して突入した延長前半、フィーゴの直接FKがネットを揺らし乱打戦に終止符を打った。

目立った補強を行わず、現有戦力でチーム完成度を高めたASローマによるマニュアル通りの得点ラッシュがインテルを襲った。ASローマは前半13分、パヌッチからのロングパスをマンシーニが頭であわせ先制。同25分、中央突破したアキラニがトッティとのワンツーでゴール前に抜け出し冷静に右足で追加点。同33分、自陣深くから速攻、最後は右サイドを駆け上がったペロッタからのグランダーに再びアキラニ。マンシーニが囮となり相手DFマテラッツィを引きつれて生まれたエリア内のスペース、飛び込んだアキラニは誰にも邪魔される事なく右足を合わせるだけでよかった。

新加入組が噛みあう前に深手を負ったインテルだったが、前半終了間際にようやく覚醒。左奥から放たれたフィーゴのFKにビエィラがヘッドで合わせ1−3。見せ場なく終わったアドリアーノと交代で入ったクレスポが後半20分、右サイドのスタンコビッチからのアーリクロスにDFを振り切り豪快ヘッドを決め2−3。同29分、右CKからのこぼれ球をエリア外からスタンコビッチがシュート、DFに弾かれたボールをカンビアッソがさらにエリア内に放り込むとクレスポがヒールで流し、最後はイブラヒモビッチの強烈シュートクロスにビエィラが飛び込み3−3。勢いを増すサポーターの声援を背に突入した延長前半4分、ゴール正面やや右25mで得た絶好のFKにフィーゴ。左利き有利の位置、6枚の壁をものともせずフィーゴの右足から放たれたボールは吸い込まれるようにゴールネットを揺らした。3点リードを守りきれずに疲労とストレスが溜まった相手DF陣の焦りを見透かすようにしてファウルを誘ったフィーゴ、勝負の世界を知り尽くした熟練の技が勝敗を分けた。

先発フォーメーションは以下の通り(選手は左から、カッコ内は交代)。
インテル・・・4−4−2
GK:トルド
DF:グロッソ(54分マイコン)、サムエル、マテラッツィ、サネッティ
MF:スタンコビッチ(106分ダクール)、カンビアッソ、ビエィラ、フィーゴ
FW:アドリアーノ(61分クレスポ)、イブラヒモビッチ

ASローマ・・・4−2−3−1
GK:ドニ
DF:クフレ、キブ、メクセス、パヌッチ
MF:デ・ロッシ、アキラニ(80分トネット)・マンチーニ、ペロッタ、タッデイ(66分カセッティ)
FW:トッティ(72分ミド)