混迷を極めるイングランド代表DFアシュリー・コールの移籍問題。2000万ポンド(約40億円)のオファーを提示するチェルシーに対し、アーセナルは2500万ポンド(約50億円)の設定金額を譲らず、交渉は平行線を辿っている。

 しかし、「金銭面での合意を残すだけ。私は楽観視している」と語るのは、プレミア王者チェルシーのピーター・ケニオン最高経営責任者。8月31日の移籍期限が迫るなか、打開策として提示されたフランス代表DFウィリアム・ガラスとのトレードには否定的な見解を示しながらも、コール獲得には自信を覗かせた。

「我々はコールがチームの一員になると信じている。最終期限まで、これまでどおり交渉を続けていくつもりだ。たしかに、アーセナルからガラスとのトレード要請は受けたが、我々に放出の意思はない。ただし、彼らはまだあきらめていないようだがね。この先どうなるか分からないが、ガラスが残る場合でも、コール獲得をやめるつもりはない」

 一方、ジョゼ・モウリーニョ監督は、静観を決め込んでいる。

「詳しい状況は知らない。私のチームにはウェイン・ブリッジがいるし、状態もいい。たしかに、ブリッジ以外に左サイドバックを本職とする選手はいないが、解決策はいくらでもある。コールの獲得が失敗しても、別に悲劇というわけではない」

 ライバルクラブ同士の移籍交渉は難航を極めている。挙句の果てには、両者揃ってリヨンのフランス代表DFエリック・アビダル獲得に動いているとの報道も。移籍期限まで残り7日間、プレミアの覇権を争う両者は、コールの去就問題に着地点を見出すことができるだろうか。