怪物ロナウド獲得を巡りレアル・マドリー幹部との交渉を始めたACミランだが、話は一向に進む気配はなかった。ACミラン側のオファー「3000万ユーロ(約45億円)でロナウドとロビーニョ」のブラジル代表新旧エースのセット価格に対し、レアル・マドリー側は「ロナウド一人で2500万ユーロ(約37.5億円)」と強気の単品価格を設定。両クラブ間の思惑に開きがあり過ぎては移籍交渉に暗雲が立ち込めるのは避けられない。

現在ACミランFW陣はインザーギ、ジラルディーノ、アモローゾの3人。ビエリ放出に伴い、セリエAでの実績に申し分のないアモローゾを05−06冬季移籍市場でサンパオロから一本釣りするもここまで泣かず飛ばず。若手成長株ジラルディーノは大舞台での活躍に疑問が残る。欧州CL予選レッドスター戦で2得点と一人気を吐いたインザーギだが、33歳のベテランに全てを託すのでは余りにも心許ない。

完全にACミランの足下が見られている。ACミランの今夏移籍市場はここまで収入5000万ユーロ(約75億円)に対し、支出900万ユーロ(約13.5億円)。シェフチェンコ放出で稼いだ約60億円は透明の金庫に納まったまま。ロナウド本人もACミランの宿敵インテルオーナー・モラッティと深い信頼関係がある。また、移籍市場序盤を騒がせた“レアル・マドリー、カカ獲得”報道時にACミラン副会長ガリアーニは「レアル・マドリーの動きは非常識。宣戦布告をする(7月27日)」と大見得を切っていた。その本人がACミラン代表として交渉の席に着くのでは、ACミラン有利な話に花が咲くわけがない。ロナウド獲得の夢が遠ざかる今、マドリッド滞在を延期してF・トーレス(アトレチコ・マドリー)獲りに全身全霊をささげるのが無難だろう。ベルルスコーニ会長の「移籍市場終盤にサプライズを」公約実現に残された期間は1週間しかない。