86年前の1937年1月21日、山口県を走る小野田線の通称「本山支線」が開業しました。

3つの鉄道会社が伸びていた時代


小野田線支線の終点、長門本山駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 今から86年前の1937年1月21日。山口県を走る小野田線の通称「本山支線」が開業しました。

 山陽本線から臨海工業地帯の街へ伸びるローカル線、宇部線と小野田線。その小野田線のさらに短い支線が、雀田駅から分岐して長門本山駅へ、わずか2.3kmだけ伸びています。

 この支線を走る電車はわずか3往復。早朝2往復が出ると、18時台まで運行はありません。終点の長門本山駅は駅舎もなく、小さなホームに線路1本だけがある、わびしい無人駅です。

 もともとこの区間は支線であったわけでなく、宇部鉄道(現:宇部線)の宇部新川駅南側から港湾部や雀田へ伸びていた宇部電気鉄道が、2駅分延伸して生まれた区間です。

 いっぽうで小野田からも小野田鉄道が小野田港まで伸びていました。小野田港と雀田がつながってひとつの「国鉄小野田線」となるのは戦後のことで、これにより雀田〜長門本山は短い支線となったのです。

 1967年10月時点のダイヤを見ると、朝5時から深夜0時まで、1日25往復も運転されていました。午前中の宇部新川発着の1往復を除いて、すでに短い支線内を行き来するのみとなっていました。

 この支線では1933年生まれの「クモハ42形」が長い間走り続け骨董品的な存在で知られていましたが、2003年に引退。現在は国鉄型車両105系と123系がその役割を担っています。