「ボーイング797」、こんな感じになったらイイかも!

従来機から3割もCO2排出減少?

 NASA(アメリカ航空宇宙局)が開発を進めている実証機「遷音速トラス ブレース翼機(Transonic Truss-Braced Wing。TTBW機とも)」について、アメリカの航空機メーカー、ボーイングが主体となり、開発と飛行試験が実施される予定です。この機は「トラス ブレース翼」と称される通り、非常にユニークな翼型を特徴とします。


NASAとボーイングが開発する「遷音速トラス ブレース翼機」のイメージ(画像:ボーイング)。

 この「遷音速トラス ブレース翼機」の主翼は、胴体の大きさのわりに非常に長い一方で、非常に薄くなっています。主翼の下にはそれを支えるべく、胴体下部から主翼中盤にかけ、斜めの支柱のようにつなぐ翼が取り付けられます。「トラス(三角)」の名前は、この翼型が機体前方・後方から見ると、三角形に見えるためです。

 NASAによると、この翼型の採用で抗力を少なくし、従来よりはるかに燃料効率の良い航空機の開発が期待できるとのこと。2者が主導する「遷音速トラス ブレース翼機」のデモ機では、現在実用化されている単通路(通路が1本)航空機と比較し、燃料消費と二酸化炭素排出量を最大30%削減することを目標としています。

 ボーイングによると、「遷音速トラス ブレース翼機」は、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを達成するという民間航空業界の目標設定のなかで構想されたものといいます。デモ機は、これまで多くのヒット作を生み出したボーイングのノウハウが、存分に生かされる予定です。


※誤字を修正しました(1月21日16時06分)。