東京オリンピックのころから走り続けた名車もついに引退。

地方私鉄への移籍は長野電鉄のみ

「マッコウクジラ」の愛称で親しまれた銀色の車両が2023年1月19日(木)、現役を引退しました。

 最後まで運用していたのは、長野県北部に路線を持つ長野電鉄。同社の3500系電車は、営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線の初代車両だった3000系を改造したものです。


長野電鉄3500系電車(乗りものニュース編集部撮影)。

 長野電鉄によると、1993(平成5)年にデビューし、最大14編成28両が稼働。同じく元営団3000系を改造した3600系(2020年引退)とともに、通勤車両の主力として活躍しました。その後、木島線・屋代線の廃止や後継車両の登場により、次第に車両数を減らしていったといいます。

 営団3000系は1961(昭和36)年から71(昭和46)年にかけて製造され、1988(昭和63)年に登場した03系に置き換えられました。走行機器類などはいくつかの私鉄に譲渡されたものの、車両の移籍は長野電鉄のみ。今回の引退で、長野電鉄での30年を含む60年近い歴史に幕を閉じたことになります。

 ちなみに長野電鉄は3500系の後継として、東京メトロ03系を2020年から3000系電車として導入しています。