イングランド代表DFアシュリー・コールの移籍問題に揺れるアーセナル。早期解決を望むアーセン・ベンゲル監督が、新たな動きをみせた。獲得を希望するチェルシーに対し、「DFウィリアム・ガラス+金銭」のトレードを持ちかけたのだ。

 指揮官は、チャンピオンズ・リーグ(CL)予備予選のディナモ・ザグレブ戦(23日)で、25歳の左サイドバックを起用しないと明言。移籍の可能性は「五分五分」としながらも、問題解決を最優先にフランス代表DFとのトレードを提案したという。

「ザグレブ戦でプレーしてしまうと、他のチームでCLに出場できなくなる。しかし、この件はまだ不透明な状況だ。たしかに、我々はウィリアム・ガラスに対するオファーを提示した。一刻も早い解決を望んでいるからね。今のままでは試合に集中できない」

 しかし、プレミア王者の“金銭感覚”を揶揄する知将は、トレード不成立の可能性も語っている。

「ガラスは素晴らしいディフェンダーだ。4バックならどのポジションでもこなせる。ただし、直接の交渉はまだだ。獲得には選手との合意も必要なのだ。彼はサラリーの上限がないクラブに所属しているが、あいにく我々には上限がある。アーセナルに来るなら、減給を受け入れる必要があるね」

 チェルシーとコールの“相思相愛”関係とは対照的に、センターバック起用を望むガラスと左サイドバックの穴を埋めたいアーセナルの思惑は一致しない。しかし、「ガラスはチェルシー退団を望み、コールはアーセナル退団を望む」(ベンゲル)状況では、フランス人監督の仕掛ける“不満分子トレード”こそ最善の解決策といえそうだ。