22日、欧州CL本戦出場権を賭けたレッドスター対ACミランの試合は1−2でACミランが貫録勝ち、欧州CL本戦へ優勝候補が遅ればせながら名乗りを挙げた。スキャンダル判決により05−06季の順位が2位から4位に降格、シーズン後半の猛追で掴んだ本戦出場“券”はガリアーニ副会長による偽造チケットに終わった。身から出た錆とは言え、監督・選手による失望と怒りの声が連日メディアを賑わせていた。

ホームでの第1戦をインザーギ誕生日弾で1−0勝利を飾ったACミラン。精神的有利な状況のまま乗り込んだ敵地ベオグラードでの勝負は前半29分、インザーギの先制ヘッドで90%決まった。この一発で勝利のために最低3点を要する羽目になったレッドスターはACミラン左SBセルジーニョの裏を狙い、果敢に攻撃するも決定力不足に泣いた。天才ルイ・コスタ退団後、伝統ある背番号「10」をクラブに直訴したセードルフが後半23分、カカの突破から得た絶好のこぼれ球に右足一閃。レッドスターは試合終了目前に一矢報いるが、勝負は既に決まっていた。

敵地マラカナ・スタジアムを埋め尽くした5万人のサポーターを前に、王者の貫禄を見せつけたACミラン。約99%を占めた熱狂的男性サポーターによる地鳴りの様な応援は、敵の強さを目の当たりにして徐々にか細くなった。勝利後ACミラン監督アンチェロッティは「予選からの出場となったが選手、スタッフが良くやってくれた。本戦?このまま前進あるのみだ」と当然のように語った。

本戦出場権を獲得したACミラン、新季開幕に向けて残る課題はシェフチェンコの抜けた穴を埋めるのみ。2戦続けて活躍したインザーギとは対照的に、この日も大舞台に弱い印象を与えたジラルディーノ。ベルルスコーニ会長の公約「移籍市場終盤にサプライズを」実現まで与えられた期限は残り9日。怪物ロナウド、若き突破王F・トーレス、謎の失踪を遂げたテベス・・・。寝耳に水の状況から現場が結果を出した今、欧州CL・国内リーグ制覇達成にはフロントの手腕次第となった。