エスパニョールに快勝し、スペイン・スーパーカップを制したバルセロナ。しかし、試合後の優勝セレモニーの場にFWサミュエル・エトーの姿はなかった。第2戦もスタメンで出場したエトーだが、ハーフタイムにグジョンセンと交代すると、試合終了を待たずしてカンプ・ノウを後にした。バルサにとって少々心配な事件だ。

フランク・ライカールト監督もエトーが帰宅したことを認め、報道陣の質問に対し、「サミュエルが帰ってしまったのは事実だ。ただ、試合後にこの手のことを話し合うにはタイミング的に良くない。サミュエルにもいろいろな感情が溢れているだろうし、一晩経って落ち着いてから彼と話し合うのがベストだと思う」と答えている。選手の把握術に長けるライカールト監督のこと、エトーとじっくり話し合えば大きな問題に発展するとは考えていないようだ。そして、前半のエトーのプレーを賞賛。「サミュエルはチームプレーに徹し、チームメイトのために労を惜しまず動いている。彼に関して何の疑問もないし、スポーツ的に不満なところも全くない」と全幅の信頼を寄せるコメントを残している。

プレシーズンでの親善試合でも1ゴール、そしてスペイン・スーパーカップではノーゴールに終わり、昨シーズンの得点王からは快音が鳴りを潜め、その表情からはナーバスさも見てとれる。とはいえ、エトーの実力に疑う余地はない。バルサが今シーズンも快進撃を続けていくにはエトーのゴールは必要だ。ゴールに貪欲なエース、エトーの復活に期待したい。