チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、プレミアリーグ開幕を直前に控え、チームの準備不足を嘆いた。

 ドイツ・ワールドカップの影響で、短期間のプレシーズンを余儀なくされたチェルシー。さらに、ミヒャエル・バラックやクロード・マケレレといった主力にケガ人が相次いでおり、強気な指揮官も思わず不安を口にした。

「親善試合より公式戦を戦うほうが好きだが、それも十分な準備をした前提での話。正直に言って、我々は準備不足の状態にある。しかも、開幕戦で使えそうなのは15人だけ。これまで以上にタフなシーズンになるのは間違いない」

 今夏の移籍マーケットでは、アンドリー・シェフチェンコやミヒャエル・バラックなど、次々と大物選手を補強したチャンピオンチーム。しかし、同時にエルナン・クレスポ、ダミエン・ダフ、エイドゥル・グジョンセンといった主力を放出したポルトガル人監督は、珍しく弱気な発言を続ける。

「夏の補強でチーム力がアップしたとは一概に言えない。違うチームに生まれ変わったという方が適切だ。過去2シーズンは、ベンチスタートで結果を残せる選手がいた。今シーズンは、ディアッラ、ミケル、カルーといった選手がその役割を担う。しかし、彼らがグジョンセンやダフのような働きができるかはまだ未知数だ」

 今シーズンの目標を聞かれ、「もちろん3連覇」と宣言したモウリーニョ監督。しかし、「リバプールとマンチェスター・ユナイテッドは補強に力を入れているし、アーセナルも昨シーズンの陣容を引き継いだいいチームだ…」と語るなど、追われる立場の苦悩も垣間見せた。過去2シーズン以上の結果を期待される闘将。勝負のシーズンが始まろうとしている。