2023年3月実施されるダイヤ改正で、東武東上線の上板橋駅が新たに準急停車駅となります。同駅前には再開発計画があるのも理由のひとつかもしれませんが、とある激辛ラーメンのファンがザワついています。

「中本特急」とファンに呼ばれる可能性も

　東武鉄道が2023年3月18日に実施するダイヤ改正で、東上線の準急が新たに「上板橋駅」へ停車することになりました。池袋を出ると、東京都内の端、板橋区西部の成増駅まで優等列車が全く停まらなかった東上線にとっては、準急のみの停車でも大きな変化といえます。
　
　この決定により、大きくざわついている界隈があります。「蒙古タンメン中本」のファンです。


近くの踏切から見る上板橋駅（画像：写真AC）。

　実は「蒙古タンメン中本」の本店は上板橋が最寄り駅となっており、激辛ラーメンの聖地といえます。ネットでは、「準急が停まるのは中本のおかげ」といったコメントが複数みられ、「蒙古タンメン対応ダイヤ」「池袋から中本までノンストップ」と喜ぶ人や、中には「種別を中本特急にしたい」といった声も。

　中本人気とダイヤ改正はおそらく関係ないとは思いますが、既に同駅は、2021年度の1日平均の乗車人数が42131人と、池袋〜成増間の準急が停車しない駅の中では、東武練馬駅に次ぐ順位になっています。

　歴史をたどると、戦前には西新井〜上板橋を結ぶ「西板線」（一部は現・大師線）の計画があったほか、戦後の一時期には、この駅から現在の練馬区光が丘にあった米空軍の宿舎グランドハイツまで「啓志線」が延びていました。そうした歴史もあり2面4線の比較的大きな駅となっており、未だダイヤの詳細は明かされないものの、準急と普通列車との接続なども期待されます。

　さらに、同駅前には再開発計画によりタワーマンションの建設が予定されており、今回の準急停車駅決定は、それに伴う乗車率の増加も見込んでの決定だという声の方が強いようです。元々、上板橋は池袋乗り換えで新宿へ約25分、渋谷まで約30分と都心へのアクセスは良好でしたが、さらに利便性が向上します。

　なお、北口・南口両方に商店街が存在し、上板橋北口商店街は、加盟店230店からなる板橋区内最大級の商店街となっています。ちなみにメディア露出が多い、イラン人マスターが経営しているデカ盛りの居酒屋「花門」も同駅が最寄りです。