東武越生線が全線開業した日 貨物輸送でマルチ活躍の過去も -1934.12.16
88年前の1934年12月16日、東武東上線の支線である越生線が全通しました。
砂利やセメントを輸送
越生駅でJR八高線と並ぶ東武越生線(乗りものニュース編集部撮影)。
今から88年前の1934(昭和9)年12月16日。東武東上線の坂戸駅から分岐して八高線の越生駅までをむすぶ東武越生線が全通し、旅客営業を開始しました。
当時は「越生鉄道」による開業で、高麗川の砂利を搬出する貨物輸送も担っていました。西大家〜川角間にあった砂利積み込み用の駅の面影は、現在も空き地として残っています。また、川越線がまだ開通していない時代、八高線沿線の人々にとって越生線は、東上線を通じて川越や都心へ出る貴重な連絡線となっていました。開業当時は1日9往復で、1967年時点のダイヤを見ると20〜50分間隔で運転されていたようです。
戦時体制の中で東武傘下に入り、1950年に電化されます。その後1963(昭和38)年に日高の日本セメント(現:太平洋セメント)から西大家付近までのびる貨物線が開業。東武へ乗り入れてセメントを板橋の工場まで運搬する貨物列車が走るようになりました。
日本セメントの貨物線は高麗川駅方面へものび、八高線と川越線の間を通って「3股合流」していました。その後1999(平成11)年に廃止となり、跡地の一部は「ポッポ道」と呼ばれる遊歩道として当時の面影をとどめています。