首都高C1都心環状線の機能を代替する「新京橋連結路」を建設し、銀座の「KK線」を廃止する計画が進んでいます。これに伴い、銀座や京橋周辺では、首都高にアクセスできる入口の多くが無くなる見込み。代替はどうなるのでしょうか。

「土橋」「新橋」「西銀座」「京橋」なくなります

 東京・銀座周辺の道路事情が今後、大きく変わります。周辺で首都高にアクセスできる入口の多くが廃止される見通しです。

 2022年現在、首都高C1都心環状線の「日本橋区間」を地下化する工事が進んでいますが、これにより失われる環状機能の代替として、銀座エリアの地下に「新京橋連結路」を建設する都市計画手続きが進んでいます。C1の京橋付近と八重洲線の丸ノ内付近を地下の新線で結ぶというものです。また、これに伴い首都高とネットワークを形成している銀座の「KK線」こと東京高速道路は廃止され、緑道となる計画です。


KK線の急カーブ。奥で土橋入口が接続している。この風景もあと数年で見納めになる見込み(ドラレコ画像)。

 KK線を含め、銀座周辺で首都高にアクセスできる入口は、次のように変化します。カッコ内は現在接続している方向です。

●首都高C1都心環状線
・京橋(外回り)→廃止
・銀座(内・外回り)

●KK線
・西銀座(C1外回り方面)→廃止
・土橋(八重洲線およびC1内回り方面)→廃止
・新橋(八重洲線およびC1内回り方面)→廃止

 これに対し東京都は、廃止の影響を考慮して次のような入口の新設を計画しています。

●首都高八重洲線(新京橋連結路)
・丸ノ内(仮称、北行き)

●首都高C1都心環状線
・新富町(C1外回り)

 丸ノ内入口はKK線の西銀座JCT付近に新設し、KK線土橋、新橋の代替として北方向のサービスを確保するためとされています。新富町は、現在の新富町出口を入口として改築し、京橋入口の代替となります。

しばらく「銀座」だけになる可能性も

 とはいえ、新京橋連結路の完成は2035年の予定であり、代替が用意されるのは少なくともその前後です。新京橋連結路の建設前にKK線は廃止されるほか、C1京橋の入口は新京橋連結路の工事に支障となるため廃止されます。また、KK線の廃止で接続先を失う首都高八重洲線も、今後いったん通行止めになる見込みです。

 東京都街路計画課によると、いずれも都市計画手続き前のため、詳細な工事スケジュールは立っていないものの、KK線の再開発は2020年代半ばには始まる予定だといいます。影響を考慮して段階的に廃止や通行止めが進む可能性もありますが、新京橋連結路の完成まで、周辺ではC1の銀座入口からしか首都高にアクセスできなくなる可能性もありえるということでした。


KK線の路線図。廃止され緑道となる見込み(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちなみに出口については、C1の京橋出口、C1外回りから接続しているKK線の東銀座出口が維持されます。首都高から銀座周辺へ向かう場合は、C1内回りなら汐留、銀座、京橋、外回りなら宝町、東銀座、銀座で降りることが考えられます。

 また、銀座付近からお台場方面へ通じる「10号晴海線」の未開通区間についても計画が練られており、その途上には「築地」出入口(仮称)が設けられるとされています。


※一部修正しました(12月14日9時46分)。