砲塔のなか無人!? 巨大タイヤ式自走砲「RCH155」ウクライナ導入へ KMW
ドイツ政府の供与だというハナシも。
まだ採用実績のない最新の装輪自走砲
ウクライナ軍参謀本部は2022年12月9日、ドイツから「RCH155」自走砲18ユニット、ピックアップトラック80台、折り畳み式収納テント2セット、トラック7台を、ドローン対策機器90台とともに導入する予定であることを明らかにしました。
ドイツ連邦軍の演習場でテスト中のRCH155装輪自走砲(画像:KMW)。
RCH155とは、KMW(クラウス・マッファイ・ウェグマン)が開発した装輪タイプの自走榴弾砲です。ベースはドイツとオランダが共同開発し、同社も生産などに関与する8輪駆動の「ボクサー」装甲車で、これに砲身長約8mの52口径155mm榴弾砲を搭載した無人の大型砲塔を組み合わせています。
砲塔内が無人のため乗員数は2名と極めて少ないのが特徴です。また装輪のため、速度も舗装路上なら100km/hまで出すことができ、航続距離も整地であれば最大700kmを誇ります。
すでにウクライナには、RCH155と砲弾や装薬の互換性を持つKMW製PzH2000自走砲がドイツとオランダから計14両供与されているほか、トラックタイプの装輪自走砲についてもフランスやチェコなどから供与されています。
ただ、RCH155については先行する採用国などはなく、ウクライナ向けの車体はすべて新造になるため、一部メディアによると引き渡しは数年後になるそうです。