新しいタイヤには、まるでヒゲのように細長いゴムが無数に伸びていることがあります。一体なぜなのでしょうか。

まるでヒゲ タイヤから伸びた細長いゴム

 新品のタイヤをよく見ると、細長いゴムがいくつも伸びていることがあります。まるでヒゲのようなゴム、正体は何なのでしょうか。


無数のヒゲが伸びたタイヤ(画像:posonsky/123RF)。

 このヒゲのようなゴムは「スピュー」といい、タイヤの製造過程で生じるものです。材料を金型に入れて、金型内部の空気を抜く際、穴へゴムが流れ込みスピューができます。

 タイヤメーカーの関係者によると、出荷前にある程度の長さまで切るのが原則だそうすが、タイヤの種類によっては切りすぎて表面を傷つける恐れがあるため、完全に切らないケースがあるといいます。トレッド面を傷つけてしまっては、売り物にならなくなってしまうのです。

 ただスピューが目立ったとしても、その影響はほぼないとのこと。トレッド面は走行しているうちに擦り切れてなくなります。そもそも新品のタイヤは慣らし走行をすると本来の性能を発揮するといわれますが、その過程でスピューも削れる(皮むきと呼ばれる)とのこと。

 サイドウォールから伸びたスピューも、自分でカットする人もいるそうですが、その際にサイドウォールを傷つけてしまう恐れも。そのまま削れるのを待っていて問題はないそうです。