地獄の閑散路線「JR芸備線・福塩線・木次線」どう乗る? 青春18きっぷ旅“綱渡りダイヤ”の攻略法
中国地方の内陸部を走るJRローカル線の芸備線・福塩線・木次線は、かなり深刻な赤字路線として知られます。それぞれ非常に本数が少ないですが、「青春18きっぷ」などで旅行する際、どのようなスケジュールを組めばいいのでしょうか。
芸備線・福塩線 乗り通しはかなり困難
芸備線を走る気動車(画像:写真AC)。
中国地方の内陸部には、赤字閑散ローカル線が複数あり、いずれも非常に本数の少ない区間を抱えています。「青春18きっぷ」で乗り通すにも、相当の事前準備をしないと、ゆうに数日を必要とすることになってしまいます。
特に乗り通しが困難とされる芸備線・福塩線・木次線ですが、スケジュールを組む際にどのようなことに注意すべきなのでしょうか。
広島方面から行く場合
●芸備線
芸備線は広島駅から三次駅を経由して岡山の新見駅までをむすぶ、いわば「内陸縦貫線」です。新見まで到達する列車は、1日わずか2本しかありません。そのうち2本目は肝心の閑散区間で日没を迎えるため、実質的に旅情を楽しめるのは1日1本だけと言っていいでしょう。
(1)広島11:05→三次13:02→備後落合14:37→新見16:01
(2)広島16:05→三次17:30→備後落合20:12→新見21:36
後者は備後落合で1時間半近くの待ち時間があります。また、新見からは伯備線で岡山へ当日中に出ることが可能です。
なお、途中で「バスワープ」を使い、もう1本の移動ダイヤを組むことが可能です。備後庄原〜東城間(10駅間・49.7km)はあきらめて、とにかく先へ進みたい、時間に限りがあるという人は、試してみるのもいいでしょう。
(3)広島12:35(土休日)13:05(平日)→三次14:58→備後庄原15:31〔庄原駅16:25→東城駅前17:01〕東城17:09→新見17:44
※〔〕内がバス
●福塩線
福塩線は福山駅から北上し、芸備線の塩町駅・三次駅へアクセスする路線です。府中より先は超閑散路線となっています。終点の三次から先の芸備線は、広島へは本数が多いですが、東側へ行くとなると、上記の「1日2本ダイヤ」しかありません。
そして残念なことに、芸備線(1)に接続する列車はなく、三次で4時間待ちを強いられます。福山から三次に到達できるダイヤは以下のとおりです。
・福山6:13→府中→三次8:50
・福山14:13→府中→三次16:52 ※芸備線(2)に接続
・福山16:12→府中→三次18:58
・福山18:42→府中→三次21:20 ※広島へ到達可能
岡山方面から行く場合
●芸備線
新見から芸備線に乗り広島まで出られるダイヤは、1日わずか2本しかありません。そのうち1本目は早朝で、乗るには新見宿泊が必須のため、実質的に1日1本だけと言っていいでしょう。
(4)新見5:17→備後落合6:43→三次8:12→広島9:32
(5)新見13:02→備後落合14:43→三次16:09(土休日)16:20(平日)→広島17:34(土休日)18:14(平日)
なお、こちらも途中で芸備線内「バスワープ」を使えます。これを使えば、なんと岡山駅始発で12時前には広島へ到達できる、「奇跡のダイヤ」と言えるでしょう。平日は夕方にもワープルートが使えます。
(6)岡山5:25→新見7:04→東城7:53〔東城駅前8:21(土休日)9:13(平日)→庄原駅〕備後庄原9:54→三次10:36→広島11:59
(7)(平日のみ)新見16:16→東城16:52〔東城駅前17:10→庄原駅〕備後庄原18:03→三次19:04→広島20:56
●福塩線
三次〜府中の列車は、早朝便をのぞくとわずか3本。芸備線(5)(7)に接続するため、逆向きよりも旅程の組みやすさは圧倒的です。
・三次6:00→府中→福山8:36
・三次14:43→府中→福山17:27
・三次16:53→府中→福山19:30 ※芸備線(5)に接続
・三次19:05→府中→福山21:44 ※芸備線(7)に接続
木次線へはどう乗り換える?
木次線は、超閑散区間内の備後落合駅から北上し、山陰本線の宍道駅までを結びます。こちらも超閑散路線で備後落合〜宍道間を乗り通せるダイヤは1日わずか2.5往復ですが、備後落合でうまく接続が考慮されています。
【北行き】
(1)備後落合9:20→木次→宍道12:28 ※三次6:55発、新見5:17発に乗れば利用可能
(2)備後落合14:41→宍道17:37 ※芸備線(1)(5)に接続
(3)備後落合17:41→宍道20:56 ※芸備線(3)の列車で利用可能
【南行き】
(4)宍道11:19→備後落合14:33 ※芸備線(1)(5)に接続
(5)宍道14:00→備後落合17:01 ※芸備線(1)と三次行きに接続