【JBCスプリント 回顧】先行馬が揃うもペースはさほど上がらず
3番人気に支持された三浦皇成騎乗、ダンシングプリンスがマイペースの逃げに持ち込み、見事な逃げ切り勝ちを飾った。最内枠に入った1番人気、レッドルゼルはスタートが決まらず、場内もややざわめくような雰囲気に。
小雨が降りしきる中で気持ち締まったかなという印象の馬場。先行馬揃いでハイペースが予想されたが、前半の入りは34.4とそれほど速くもならず、厳しいスピード勝負という印象ではなかった。勝ったダンシングプリンスは好スタートを決めてハナへ。鞍上の三浦騎手も「スタートには自信があった」ときっちり決めたところでスムーズに先手を取ることが出来た。番手を武豊騎手のヘリオスがキープし隊列がかたまると、淡々とした絶好の展開に。ダンシングプリンスは最後までマイペースの預金を残して、2着馬を危なげなく振り切った。
2着のリュウノユキナは悔しい敗戦。このレースでは終始外を回される展開となったが、それでも最後まで伸びる強い競馬は見せた。これで昨年12月のレースから2着5回、3着1回と馬券圏内で好走はしており、常に安定した状態、脚力で能力は発揮するものの後一歩届かず歯痒い。鞍上の横山武史騎手も自身が騎乗した3走前と比較し「今回の方が気持ち的部分で成長したかなという感じだった。まだまだ課題がある馬で、難しい馬です」と、掴み切れないところもある様子。どこでも安定して走れるのは立派な強みで、何かきっかけがあればガラッと変わる可能性はありそうだ。
【JBCスプリント】横山武「非常に悔しい」レース後ジョッキーコメント
武豊「手応えが良くなかった」3着の武豊騎乗ヘリオスは、前走の南部杯2着から距離を一気に縮めて、約2年ぶりとなる1200m戦。ベストは1400mかと思わせる馬だが、スプリント戦線の強豪馬を相手に堂々3着に飛び込んだ。前半もそこまで速いペースにならなかったところも功を奏したのか、さらには馬の状態が安定して今は良いのか、鞍上は「手応えが良くなかった」と振り返っていたが、状態の良さも生かして3番手からしぶといレースを見せた。
4着のレッドルゼルは最内枠から痛恨のスタート。最後方になったところで万事休す。トモを滑らせ、さらには厳しい展開を強いられたが、馬の能力で追い上げた4着。ラスト3ハロンは芝並みの33.5の末脚を発揮して意地は見せた。ここは能力をフルに出し切れず参考外とも言える。
2番人気に支持されたテイエムサウスダンは伸び切れずに7着敗退。前走の東京盃では、休養明けプラス14キロと数字的にはやや余裕残しかとも思えるところもあり、それでも勝ち負けを演じての2着でひと叩きしての本番。上積み含めて期待は大きかったが、鞍上の岩田康誠騎手は「調子も良かったし、太くは感じなかった。流れにも乗れて直線に向いたけど、前回みたいに弾けなかった。敗因がちょっとわからないです」と首を傾げた。コースなのか、馬場なのか、デビュー時から最も増えている馬体重なのか、非常に掴みづらい敗戦となった。