JBCレディスクラシック レース写真 (C)競馬のおはなし

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 重賞初挑戦が交流G1となったヴァレーデラルナが、1勝クラスからの4連勝でタイトルを手にした。単勝1.7倍、断然人気に推されたショウナンナデシコは伸びきれずに3着に敗れた。

 勝利したヴァレーデラルナはデビューから大きく負けることなく、10戦5勝、2着4回、4着1回と常に安定した成績を残し、10戦中8戦を岩田望来騎手が手綱をとってここまでの成長を共にしてきた。レースでは大外枠からこの馬を知り尽くした鞍上に導かれ、迷うことなく好位2番手の位置へ。鞍上も「(勝因は)1コーナーまでのポジション取り」と振り返っているように、思い切りのいい積極策で勝利を掴み取った。

 2着に入ったグランブリッジは、外目4番手付近を追走し、向こう正面で早めに押し上げてきたテリオスベルを行かせてからのスパート。しかし、勝負どころのペースアップしたあたりでやや手応えは劣勢となってしまい中々押し上げていけなかったが、直線では地力で2着まで追い込んで来た。重賞を連勝してきているだけの馬であって、勝負根性を見せて連対は確保した。着差はクビ差、序盤のポジション争い、コーナーの立ち回り、外を回らされた分、展開ひとつで変わる、ほんの僅かの力差だったように思う。この経験を経て更なる成長が期待される。

【JBCレディスクラシック】吉田隼「良い時に比べると…」レース後ジョッキーコメント

ショウナンナデシコは良い頃の走りには届かず
ショウナンナデシコ (C)競馬のおはなし

 3着のショウナンナデシコは、連勝中の頃の絶好調とまでは行かなかったか。前走でも直線で競り負けるらしくない敗戦。ここでも内々でロスなく立ち回って、これといった不利もなく直線を迎えたが、じわじわとした脚で抜け出せなかった。大負けはしていないものの、牡馬をまったく寄せつけなかった、かしわ記念の頃のような走りは見られなかった。牝馬の難しさもあるのか、鞍上の吉田隼人騎手は「良い時に比べるとまだ戻りきっていないのかもしれません」とレースを振り返った。

 4着に入ったレーヌブランシュは、前走見せ場なく敗れて今回は人気がなかった。しかし、8番人気の低評価を覆してきっちり能力を発揮。道中内に上手く潜り込んで、ロスなく進めた松山弘平騎手の手綱さばきが見事だった。鞍上は「地方のナイター競馬は合う」と評しており、牝馬の交流重賞戦線ではまだまだ息の長い活躍が見込めそうだ。

 5着のプリティーチャンスは中団からレースを進めるも、コーナーで中々ポジションを上げることが出来ず。鞍上のC.デムーロ騎手は「コーナーに入ってから左にささるところがあった。その分かなと思う。右回りだったら結果は違ったと思う」と振り返っており、短い直線でも脚を使って詰めてはきているだけに、コーナーでの立ち回りが勝敗を分けた格好だ。舞台変わればまだまだ逆転の目はありそうだ。