懐かしのロマンスカー「SE車」台車が沿線にお披露目 学研都市線・徳庵駅
100系新幹線につづいて、またも貴重な鉄道財産が見られるようになりました。
当時の速度記録樹立に貢献
小田急ロマンスカー3000形「SE」(画像:小田急エージェンシー)。
鉄道車両メーカーの近畿車輛は2022年10月6日、かつて小田急で特急ロマンスカーとして活躍した3000形電車「SE車」の台車を、敷地内の線路沿いに設置したと発表しました。
場所は大阪府東大阪市のJR学研都市線・徳庵駅の東側。一般公開ではなく社内展示という形ですが、近畿車輛は「学研都市線にご乗車の際に車窓からお楽しみいただければ幸いです」としています。
「SE車」は1957(昭和32)年にデビュー。小田急の特急ロマンスカー用車両として、初めてバーミリオンオレンジを採用し、流線形の先頭形状となった記念すべき車両です。
同年の走行試験で、狭軌(線路幅1067mm)を走る列車としては当時最高速度の145km/hを記録。高速鉄道の車両の先駆けとして、新幹線にも一部技術が応用されたといいます。
それを支えたのが、近畿車輛が設計製造を担当した、この「KD18台車」。特徴的な「連接台車」(車両と車両をつなぐ構造の台車)で、乗り心地や曲線通過性能を高め、その後の「NSE」「LSE」「HiSE」「VSE」へ引き継がれています。他にも営業用として日本初のディスクブレーキ採用車両であるなど、新機軸を数々備え、1992(平成4)年の引退まで小田急の顔として活躍しました。
近畿車輛によると「革新的であった本台車の功績を小田急電鉄殿にご評価いただき」、小田急から譲渡されたため、台車技術の歴史を後世に伝える資料として、保存していくとしています。
同社では今年2月にも、100系新幹線の保存車両を沿線にお披露目しています。