色柄物の洗濯などに使われる酸素系漂白剤。洗浄、漂白、除菌、消臭など、1剤でさまざまな効果があり、じつは家じゅうの掃除に使ことができます。工学博士で、洗剤メーカーで商品開発にも関わっている日刊住まいライターが、実践している酸素系漂白剤を使った掃除法を紹介。使い分けやアレンジ方法をマスターすれば、掃除の負担を大きく減らせます。

なぜ酸素系漂白剤は使い勝手がいいのか

酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤に比べると、洗浄や除菌作用でやや劣ります。しかし、いろいろなところで使えるという、使い勝手のよさが魅力的です。

塩素系漂白剤は、洋服や台所のシンクなどの材質を傷める恐れがある一方で、酸素系漂白剤にはそれらのリスクがほとんどありません。また、酸素系漂白剤は、誤って酸性のものと混ぜても有毒ガスを発生しませんし、塩素のような独特のにおいも発しません。

 

酸素系漂白剤は粉末タイプがおすすめ!

「酸素系漂白剤」とひと言でいっても、いろいろなものがあります。液体のもの、粉末のもの。また、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤の主成分)のみの製品もあれば、界面活性剤やアルカリ剤、酵素などを加えて洗浄効果を高めているものもあります。

粉末タイプは、液体タイプに比べる漂白成分が多く含まれているので、漂白や除菌効果もよいです。

家の中のさまざまな場所の掃除にも使うことを想定するなら、界面活性剤などを含まない過炭酸ナトリウムのみの粉末タイプがおすすめ。より洗浄力が高いものを使いたいなら、アルカリ剤が入ったものがいいでしょう。

 

シンクやお風呂の洗浄と除菌をまとめてできる!

筆者は、シンクやお風呂の床面のお掃除に、粉末タイプの酸素系漂白剤を使っています。

シンクは食品の汚れや菌を、お風呂は皮脂汚れやピンクカビを、酸素系漂白剤1剤で一気にお掃除できます。ただ、水アカ汚れは落とせませんので、水アカ汚れはクエン酸などの酸性洗剤を使いましょう。

お掃除方法は、シンクやお風呂の床面にためたお湯に酸素系漂白剤を入れて、しばらく放置。汚れの頑固具合によりますが、30分から1時間程度をみておきましょう。

時間がたったら漂白剤を流し、シャワーなどですすぎます。このとき、スポンジやブラシで汚れを軽くこすると、汚れを落とせます。

なお、粉末なので、溶かすためにはお湯が必要ですが、このお湯の効果もあり汚れがよく落ちます。お風呂のピンクカビにも効果的。

酸素系漂白剤は、溶けてから効果が出るもの。粉末タイプを使う場合は水だとなかなか溶けないので、40℃くらいのお湯を使うといいでしょう。

なお、お風呂場の頑固なカビ汚れは、塩素系漂白剤の方が向いています。

 

洗濯槽のお掃除は酸素系漂白剤で、イヤなにおい残りなし

わが家では、洗濯槽の掃除に酸素系漂白剤をたびたび使っています。塩素系漂白剤だと、お掃除後の洗濯槽から塩素臭が漂ってきます。ただ、酸素系漂白剤では、こういったにおい残りがありません。

酸素系漂白剤を洗濯槽のお掃除に使うときは、界面活性剤を含まないものを使ってください。界面活性剤が入っていると泡立ってしまい、洗濯槽から泡があふれてくるおそれがあります。

以前、界面活性剤を含む酸素系漂白剤で洗濯槽の掃除を試しましたが、泡立ちすごかったです。掃除の途中でしたが、泡があふれる前に漂白剤を流しました。

 

洗濯槽のお掃除が始まると汚れが浮き出てくるので、ネットを使って汚れをすくいます。数分おきに汚れをすくうのがいいでしょう。

洋服やふきんのにおい取りには、食器用洗剤との合わせ技

わが家では、洋服やふきんを酸素系漂白剤につけ置きしていますが、このとき食器用洗剤を少し入れています。

酸素系漂白剤には浸透作用がありません。食器用洗剤に含まれる界面活性剤には、汚れを落とす効果のほかに、布や繊維などの中に水が入りやすくなる浸透作用があります。

そのため、洋服の表面だけでなく奥までしっかりと漂白剤がしみわたるように、食器用洗剤を加えています。ただし、食器用洗剤分も洗い流す必要があるため、しっかりと水洗いしています。

わが家は、洗濯槽の掃除や洋服のにおい取りなど、いろいろな場面で酸素系漂白剤を使うので、あえて過炭酸ナトリウムのみ漂白剤を使っています。成分が少ないので、使う場所によって自分でアレンジできるのがいいですね。

酸素系漂白剤を使われている方は多いと思います。家事ラク掃除の参考にしてください。