目も舌も肥えた本物志向の大人たちが集う街、銀座。

恋人をデートへ気軽に誘える店を選ぶなら、高い質を求めたい。

そこで今回は、銀座という美食の街で、秘密の行きつけにしたい名店を厳選してご紹介。

味は確かで、かつ心地良い寛ぎのひとときを過ごせるだろう!



※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。




▽INDEX

1.一流の味を気軽に堪能。日常デートの最高峰!

2.上質でいて日常使いができる大人の酒場

3.駅近に潜む、ワイン好きのための秘密の止まり木

4.グランメゾン出身の一流フレンチを、アラカルトで

5.“小さなパリ”で、気軽にワインデートができる!


1.一流の味を気軽に堪能。日常デートの最高峰!
『時喰み』


知らなければ通り過ぎてしまうような雑居ビル。

そんな立地で通いたくなる隠れ家を見つけるのも大人の醍醐味!



木のカウンターが、ぬくもりのある雰囲気を醸し出す店内。小さいながらも、つい長居をしてしまう居心地の良さも魅力的だ

こぢんまりとした空間と温かい空気感が、大切な相手との時間にちょうどいい


どこか庶民的な街並みが続く東銀座の一角。古びたビルの2階に上ぼれば、シックで洒落た空間が現れる。

それが『時喰み』。あの高級和食店『銀座くどう』や『徳 うち山』のセカンドラインだ。

手書きの黒板に目をやれば、出汁巻き玉子やもつ煮込みなど居酒屋定番の一品から、フォアグラ最中のような創作系、そして刺身や煮付けなど割烹の一品まで魅力的なメニューが並ぶ。

しかも、食材の仕入れは系列の2店と共通と聞けば、同店のクオリティの高さも推して知るべし。

「お通しの焼き胡麻豆腐などは“くどう”と同じものです」と、岡山幸一郎料理長。

一流店の味を単品で味わえる気軽さに、ふたりの日常が豊かになること請け合いだ。




「蔵王牛ビフカツ」3,000円。

蔵王牛は、黒毛和牛とホルスタインの交雑種。あっさりとしたサシが入った、赤身が美味しいブランド牛だ。

部位はモモの中心部のシンシン。




「FT.GFマスカルポーネ和え」1,400円。

FTはフルーツトマト、GFはグレープフルーツのこと。ふたつを塩とメープルシロップで味つけしたマスカルポーネにつけながら頂くひと皿。

甘じょっぱい味が、ロゼワインや白ワインと合う。


〆の痛風飯も必食!


「炊きたて白米 痛風飯」3,400円。

お米は山形県の「つや姫」。一合炊きの可愛い土鍋で、注文の都度ご飯を炊き、いくら、からすみ、生うに、キャビアを贅沢にトッピングした名物ご飯。


路地裏で看板だけが仄暗く照らされる


東銀座の歌舞伎座の裏手。こんなところに?と思う、古びたビルの2階に潜む日々の美食処。

外観と店内の趣とのギャップで、ちょっとしたサプライズ感も演出できる。


気のいいシェフに聞いた、お店の客層


「友人同士からカップル、ご夫婦と客層は幅広いです。奥にはテーブル席もひとつあるので、時にはカジュアルな接待などにも。

月に1、2回見える常連さんは、ワイン一杯とつまみでサクッとお帰りになる日もありますね」


東銀座のグルメな大人を虜にする隠れ家酒場


2.上質でいて日常使いができる大人の酒場
『離亭 三ぶん』


銀座の中でも東銀座はリピーターが多い店の宝庫であり、『離亭 三ぶん』もそのひとつ。

懐かしい酒場の雰囲気にして料理は想像以上に上質だ。



きれいな白木のカウンターのある店内は、和食の王道の造りで、大衆的すぎないからデートにも最適。板場の後ろには作家の器や骨董が並び、オーダーごとに皿を見るのも楽しい


歌舞伎座後ろの細い路地に、夜な夜な常連が吸い込まれる酒場がある。

東銀座で人気を博し、東京ミッドタウン日比谷に移転してからも絶好調な『三ぶん』の離亭である。

オープンから7年、隠れ家感と上質な料理に魅了される大人は増え続けている。

立ち呑みの日比谷と違い、着席なのでデートにもぴったり。その際、酒場の臨場感を味わえるカウンターが狙い目だ。

「割烹レベルの器と料理を気軽に味わってほしい」というテーマがある店なので、雰囲気も価格も至極カジュアル。

それでいて刺身も煮物も洗練の味わいで、何気なく出された器が魯山人の作品だったりする。

弩級な一面がありつつ、店長兼料理長・木太さんの柔和な人柄が手伝って、居心地も抜群だ。




毛ガニの身が豪快にのった「三ぶんのカニサラダ」1,100円。

下はセロリ、にんじん、きゅうりを、和風ドレッシングとマヨネーズで和えたもの。

実はこの器は魯山人の作品だが、提供時には「緊張させたくないので」とあえて言わないとか。




季節ごとの薬味がのる「胡麻サバ」800円。

夏は大葉や茗荷で爽やかに。写真は2人前で、ハーフにすることも可。


細路地で温かく灯る看板に引き寄せられる


大通りを1本入ってのれんをくぐれば、上質な料理と酒が今宵も大人たちを満たす。


気のいいシェフに聞いた、お店の客層


「多く来られるのは、銀座近辺で働いている40〜60代の方。コロナ禍以降は若い人も増えて、20代の女性がおひとりで来られることもあります。

常連さんには日本酒好きの方が多く、本当に詳しい人も少なくないですね」


駅近ながらひっそりと佇む隠れ家!200種以上のワインを揃える


3.駅近に潜む、ワイン好きのための秘密の止まり木
『ヴァンピックル銀座』


新しいお店もいいけれど、歴史ある店が健在なのも銀座ならでは。

他の店では味わえない唯一無二の味が、長きにわたって常連の心を掴み続けている。



ワインの矢に射抜かれたハートの看板が目印。駅近でありながら、隠れ家のような佇まいも印象的だ。気さくなワインレストランとして知られる『オザミ・デ・ヴァン』の系列店

アクセスは良好だけど見つけにくい、そんな隠れ家を知っている大人の優越感


フレンチスタイルで楽しむ、焼きとんとワイン。そんなコンセプトでオープンしたのは22年前のこと。

銀座の秘密の止まり木として多くのワイン好きに親しまれてきた名店が、この『ヴァンピックル銀座』だ。

年季の入ったカウンターに腰をかければ、目の前のショーケースに、同店のためだけに育てられた埼玉の吉田豚が横たわる。

「飼育日数が通常より長いため、旨みが深く脂が甘い。ストレスなく仕留めるのも旨さの所以」と、吉川 忠シェフ。

モモやレバーなど各部位をさまざまに味わえる串も魅力だが、デートなら骨付きロースをぜひ。塊で焼けばこそのジューシーさを満喫できる。

フランスを中心に、自然派からグランヴァンまでそろうワインと共に味わいたい。




店の看板「吉田豚 骨付きロース塊焼き」100g/605円。1カット350〜580gと、ボリューム満点のひと皿。写真は約420g。

炭火でじっくり焼き上げる骨付きロースは、「骨の旨味を肉に移すようなイメージで、骨の方から火を入れるようにしています」と吉川シェフ。

炭と一緒にブドウの枝も焼き、香りをほんのりまとわせる。




オープンキッチンのカウンター席では、肉の焼けるシズル感もご馳走のひとつ。


ワインは200種類以上!


ワインは、ほぼフランス産。

豊富なラインナップで、グラスワインは10種以上が常時そろっている。


気のいいシェフに聞いた、お店の客層


「男女比で言えば、男性の方が若干多め。カップル率も比較的高いですが、ひとりの方もけっこうお見かけしますね。

常連さんは、月に1、2度の頻度の方が多く、中には、毎週1度は顔を見せてくれる方もいらっしゃいます」


東京を代表するグランメゾン出身のシェフが手掛ける名店!


4.グランメゾン出身の一流フレンチを、アラカルトで
『佛蘭西料理 銀座 誠』


照らされる看板を、さらに地下へ進むと現れる隠れた名店。

シェフの名前を頼りに訪れる客が多数で、連日食通たちを唸らせている。



栗の木の一枚板のカウンターが存在感を放つ、落ち着いた空間。奥には、テーブル席と別に個室もあり、気軽な接待にも重宝する


銀座に行きつけの店を持つ。これぞ、大人の男のステータスというものだろう。

そこで覚えておきたい一軒が、ここ『佛蘭西料理 銀座 誠』。路地奥に潜む隠れた名店だ。

ご主人の栗原 誠シェフは、フレンチ一筋36年。東京を代表するグランメゾン『アピシウス』で19年間修業を積んだ大ベテランと聞けば、食指の動くグルマンも多かろう。

根津で独立後、2015年に念願の銀座に移転。と同時に料理も変化。

伝統の味を守りつつも、バターの量を減らすなど現代に即したテイストに変わってきたそうだ。とはいえ、仔羊のローストやパイ包みなどの王道フレンチが堂々と並ぶ。

ボリュームも往年のフランス料理そのままで、ふたりでシェアできる気軽さも通いたくなる理由だろう。


手法に誠実な美しき料理が、食通なふたりの心を掴んで離さない


「仔羊のロースト モリーユ茸のクリームソース」4,200円。

クリームソースは、バターを使わずキノコのジュと生クリームで品良く仕上げた人気のひと皿。




「ラング・ド・コションのハムカツ」2,600円。

ラング・ド・コションとは、豚の舌を塩漬けにしたハムのこと。ここでは、栗原シェフのオリジナルで豚の耳なども加え、鶏のムースでつないだパテ状のものを丁寧にパン粉揚げにしている。

熱々を口にすれば、トロッとしたゼラチン質の食感も良く、美味。




銀座の路地奥のビルの地下に店を構えて7年。

こんな場所にも旨い店が潜むところに、銀座の底力を感じさせる。


気のいいシェフに聞いた、お店の客層


「銀座7丁目という場所がら、年代層は全体的にやや高め。若い方も見えますが、40〜50代の大人の方が中心ですね。

遅い時間には、ワインだけを飲みにいらっしゃるお客様も。2軒目としても気軽に使っていただいています」


本場さながらの気分に浸れる寛ぎのビストロ


5.“小さなパリ”で、気軽にワインデートができる!
『ガールドボーヌ』


大人のエリア“銀座”にありながら、パリの街角を思い起こさせる。

気軽な料理とワイン、そして漂う温かい空気感が大人の心をつかむのだ。




銀座という大人の街で、肩ひじ張らずにグラスを傾けたい


銀座の中心地から少し歩いた、静かな場所にぽつんと佇む『ガールドボーヌ』。

間口は小さいが、奥行きのある店内はまるで本場パリのビストロのよう。

黒板メニューにはカスレ、パテ、エスカルゴなど、庶民派ビストロの王道料理がズラリと並び、フランス好きを喜ばせる。

どの料理にもおすすめのワインがあり、それが気軽に飲めるテーブルワインなのもうれしい限り。

フランスの郷土料理やワインに詳しくなくとも、サービス担当のギャルソンに聞けば気さくに答えてくれるから安心だ。

ふたりで飲んで食べて約10,000円という、カジュアルな価格も大いに魅力的。

特別じゃないけど、訪れる度に幸せな気分にしてくれる、自慢の行きつけと呼べるのはこんな店だ。




「カスレ」2,980円。

豚足や自家製シャルキュトリ、白インゲン豆を煮込んだ南仏の郷土料理。トマトを加えているので、見た目よりあっさり。

合わせる赤ワインは同じ故郷の南仏産で、軽い飲み口。




「鶏の白レバームースとパンデピス」850円。

スパイスが香るパンデピスには、きれいな味わいのリースリングが合う。




「黒トリュフオムレツ」950円。

トリュフの香りにマッチする、リッチなシャブリを合わせたい。


銀座の隅に佇む小さな“パリ”が心地良い


パリの街角にある店をそのまま移したような、温かみのある店。

こぢんまりとした空間だが、荷物置きやコートを掛けるハンガーなど機能的で快適に作られている。壁の写真や絵も、本場の雰囲気を醸し出す。

オープンキッチンから飛び出す、シェフの会話も軽快だ。


ここでしか飲めない限定シャンパンあり


以前、店主がシャンパーニュ地方を訪れた時に知り合った作り手から送られてくる、年間限定480本のシャンパン『クリストフ・ルェーブル』9,280円。

りんごのような香りで、ロゼのようなほんのりピンクがかった色合い。


気のいいシェフに聞いた、お店の客層


「銀座のはずれという場所柄もあり、落ち着いた大人のお客様が多いですね。カップルや夫婦、グループなど、いろいろなシーンで利用いただけています。

『パリに来たみたい!』と喜んでくださる方も多くいらっしゃいます」



どの一軒も、銀座の大人を満足させる確かな味と、上質なムードが約束された名店。

大切な人を誘って訪れれば、「また来たいね♡」の一言を引き出せるはずだ!

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