※この記事は2020年05月19日にBLOGOSで公開されたものです

リモートワーク化によって、もう1~2カ月電車に乗っていないという人も多いのではないでしょうか? しかしこの状況の中でもなお、毎日電車通勤を続けざるを得ない人々もたくさんいます。

実際に私自身、いまだに緊急事態宣言が続く東京でイラストレーターをしながらいろんなバイトもしているのですが、某大手企業の委託で受けているコールセンターのバイトだけはずっと通勤が続いています。何人かのスタッフが長期休暇を取ったり辞職したりで人手がギリギリになってしまい、バイトも社員も出勤せざるを得ない状況になってしまったためです。

というわけで今日も若干陰鬱な気持ちになりながら、元気に会社へ行ってきま~す。

(イラスト・文/松崎りえこ)

エレベーターのボタンは、できれば押したくない

自宅マンションを出て、最初にやってくる難関。そう、エレベーターのボタンです。不特定多数の人が触れているボタンは、やっぱりできれば押したくない! …が、その気持ちは皆さんも一緒。その瞬間「誰かがボタンを押すのを待つ」という、数秒間にわたって繰り広げられる我慢比べが始まります。

そこで私はふっと自らの気配を消して石像のようになってみたりするのですが、さすがに10秒もそれはできない! 今日もボタンの近くについつい立ってしまったことを後悔するばかりです。

ボタンは爪で

とにかく触れる面積は最小限にしたい! …というわけでボタンを押すときは、私はいつも爪で軽く押します。予防的に意味があるかどうかはまったく不明ですが…。

これには皆さんそれぞれの流派があるようで、他の人のボタンの押し方を観察した結果、「中指の第二関節」派や「スマホの角」派などが存在することが判明しました。

電車の中はソーシャルディスタンスどころではない

5月中旬現在。都内の某線を利用していますが、平日の朝9時頃は1座席の周辺に3人が立っているくらいの混み具合です。ソーシャルディスタンスなど守りようもありません。

でも一時期からすると、これでもかなり乗客は少なくなったなと。コロナパニック真っ只中の3月から4月頭頃は、行きも帰りも通常通りの満員電車でマジで地獄でした…。

しかもちょうどその頃、東京の鉄道各社が電車の本数削減を検討という話もあったりして、これ以上混雑するのは自殺行為ではないかと震え上がったものです。

乗客にシンパシー

緊急事態にもかかわらず電車に乗ってる見ず知らずの人たちに、勝手にシンパシーを感じてしまいます。

「お願い! お家にいて!」「ステイホーム!」とテレビや家族から引き止められるも、「やれるものなら、テレワークしたいよ…」と一言、今日もマスク一枚で身を守り、任務全うのために都心へと特攻を続ける我が戦友たち…。

熱いものがこみ上げてきます。

風の音で音楽がかき消される

電車の車内は換気のために窓が開けっ放しになっているので、風の音で聴いている音楽がいつもかき消されてしまいます。(ああ、電車っていつもすごく速く走っているんだなぁ。文明ってすごいなぁ)と思いつつ目線を上げると、セットした髪型が乱れまくっている人たちの姿を見ることができます。

電車と電車がすれ違う際は、風圧がさらに強くなります。頭髪の薄い方は引きちぎれるのではないかと思うくらい髪がぐるぐると回転し、早回しで進む時計の針状態に。今は暑くも寒くもないからこれでいいけれど、真夏は一体どうなってしまうんだろう…。

マスクしてない人が乗って来たときの、時が止まる感じ

「なぜ今、マスクをしていない?」と一瞬、車内が凍りつく瞬間です。頼むからマスクがなければ布で口元を塞ぐなりして~!

あと、ちょいちょい見るのが、マスクから鼻だけ出している男性。きっと息苦しいんでしょうね。でもそれじゃマスクの意味ないですから。一方で、鼻はちゃんと覆っているのに、なぜかマスクの下から口がはみ出しているおじいちゃんを目撃したこともあります。まるで一時期流行った若者の腰履きスタイルのようですが、どちらもちゃんと鼻と口を覆ってください!

席を移動するとき気まずい雰囲気になる

車内が空いてきたところで、横へスライドして席移動。と同時に、なんだか微妙な空気になります。いやいやいや、違うんです! 私は別に感染が怖くて離れたわけではないんです! 隣の人を感染者かもしれないって思ってるわけじゃないんです! コロナ関係なく普段からそうしてるんです! ってアピールしたいけど、そうできる術もなく、ただただ気まずさだけが残ります。

そんな葛藤を抱えながら席移動をしたあと、次の駅で新たに乗ってきた乗客がさっき空けたばかりのスペースにズデンと鎮座。気まずさと虚しさが私に襲いかかります…。

顔の上半分しかメイクしない日々

フルメイクをするとマスクにメイクが付いて汚れてしまうので、メイクは顔の上半分しかやらないようになってしまいました。

おかげでメイク時間はいつもの半分、そしてファンデーションの減りもいつもの半分。目の周りに使う化粧品はいつも通りの消費スピードですが、口紅はまったく減りません。化粧品メーカーも大変なんだろうなあ…。ちなみに私は肌が弱いので、顔の下半分はマスクの摩擦で荒れています。

通勤の鬼から一言

新たな感染者も減ってきて、14日に緊急事態宣言が一部の地域で解除された影響なのか、街に人が増えてきたような気がします。さらに、だんだん暑くなってきたせいか、マスクをしていない人もちらほら見かけます。

でも、まだ終息しているわけではないので油断できませんよ! 第2波が起こることがないように、皆で引き続き感染予防していきましょう!