チコちゃんにも叱られる!?持論が招いた岡村隆史の「風俗嬢」発言 - 渡邉裕二
※この記事は2020年05月04日にBLOGOSで公開されたものです
今年の大晦日の「第71回NHK紅白歌合戦」の総合司会候補としてナインティナインの岡村隆史(49)が浮上していたが、そんな動きも、ここに来て一気に吹き飛んでしまった。
岡村がパーソナリティを担当しているラジオ番組で大失言したことから「天国から地獄」に転落、窮地に追い込まれてしまった。
コロナ不況で美人が風俗嬢になるのが楽しみ
発端は4月23日に放送されたニッポン放送「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」。
番組は生放送。リスナーからの「新型コロナウイルスの影響で風俗に行けない?」と言う問いに、岡村は「神様は人間が乗り越えられない試練は作らない。今は辛抱」とした上で、
「ここは絶対乗り切れるはずなんです」「コロナが終息したら、もの凄く面白いことがあるんです。コロナ明けたら、なかなかの可愛い人が、美人さんが〝お嬢(風俗嬢)〟をやります。なぜかと言うと、短時間でお金をやっぱり稼がないと苦しいから。これ僕、3ヶ月やと思っています。3ヶ月の間、集中的に可愛い子がそう言う所でパッと働きます。で、パッとやめます。だから今、我慢しましょう。僕はそれを信じて今、頑張っています」
何も躊躇(ためら)うことなく言い放った。
岡村は、「オールナイトニッポン」をナイナイを含め94年から続けてきた。移り変わりの激しい中で歴代パーソナリティ最長記録を更新してきたのである。
ラジオ――もちろんマスメディアではあるが、「オールナイト~」のような深夜放送の場合はリスナーとの1対1の対話が基本となっている。簡単に言ってしまえば「皆さん」ではなく「君と僕」との世界だ。そしてそれがラジオの大きな魅力となっている。
岡村の「オールナイト~」も、基本的にリスナーからのハガキやメールを中心に番組を進行させるのが大きな特徴であり人気の基盤となっていた。
そのため、リスナーからの問いに対して「ついつい、ホンネで喋ってしまった」のかもしれない。もちろん、これは岡村に対する最大限の擁護になってしまうのだが…。
しかし、だからと言って公共の電波を使って、岡村ほどのベテランが口を滑らせ、不用意な発言をするとは正直信じがたいコトである。もっとも「口を滑らせた」程度だったら、単なる失言で済んでいたのかもしれないが、今回ばかりは状況的にも問題外の発言だった。これは間違いなく「アウト」である。
「考え方が歪んでいるんじゃないの?」と批判されるのも当然である。
生放送中に謝罪していれば…
「こんなネタは仲間同士の雑談でも、ちょっと笑えませんけどね。コロナ感染に関連してのネタにしたことも問題です。ただ、今回の流れからみる限り、番組の打ち合わせの時に、あるいはそんな話が出ていたとみるべきでしょう。岡村ほどのベテランが、生放送でうっかり言ってしまったとは思えませんからね。
そもそも岡村が何を読むのか、その流れは構成作家も含め番組スタッフは把握しているはずです。しかも、岡村は全く悪気もなく言っているところをみると、明らかにこれが岡村の持論なのでしょう。
ところが、岡村も含め周囲が完全にマヒしていて、不適切な発言だと全く思っていなかったのではないでしょうか。そう考えると、単なる放送事故ではないような気がします。タイミング的にも緊急事態宣言もあって放送現場は大変だと思いますが、こんな時だからこそチェック体制をもっと強化すべきです」
スポーツ紙の放送担当記者は、少なくとも放送現場の誰かが「不適切な発言」だと気づいて、放送中に発言について「お詫び」を入れておけば、ここまで深刻な事態にならずに済んでいたのではないかと言うのだが…。
「結局は後の祭りです。放送中からネット上で批判が相次いでいたようですから、少なくとも放送中にコトの重大性に気づくべきでした。岡村にとっては、軽い気持ちで喋ったのかもしれませんが、さすがに芸人のジョークにもなりません。品のない不謹慎な発言だったことは間違いありませんね」(放送関係者)
岡村の発言に対して、ニッポン放送は番組の公式サイトで謝罪コメントを発表した。
「本来なら、岡村と吉本興業も謝罪するなど、素早い対応をすべきだったのでは…」(プロダクション関係者)と言うが、その岡村は5月1日未明の生放送で、自ら「人々に寄り添う思いが、全然自分の頭になかった」と反省の弁を述べた。
「20年以上、パーソナリティをやらせて頂いているのですが、たくさんの方に不快感を与えてしまいました。大変な失言だったと思います。情けないです。発言した部分を改めて聴き直してみました。明らかに、大変失礼な発言だったと思います。発言に関して、間違いなく僕が言った言葉です。不快に感じた皆さん、本当に申し訳ございませんでした」
さらに、番組の途中にはナイナイの相方である矢部浩之(48)も飛び入り出演し、岡村の人格的な問題を指摘した上で、「致命的」と岡村の失言を断罪した。
チコちゃん放送中止で憶測飛び交う
しかも、このタイミングに合わせるかのように5月1日、岡村が出演するNHK総合「チコちゃんに叱られる!」が放送中止になった。このことから視聴者の中には「ついにNHKも…」と思った人が多く、ネット上でちょっとした話題になった。
しかし、NHKによると、これは緊急事態宣言の延長を報じた「ニュース7が放送延長したため」と、不適切発言とは全く関係ないと説明していたが、果たして…?
それにしても、「オールナイトニッポン」を巡っては、12年前の2008年に、やはりパーソナリティだった歌手の倖田來未が、「35(歳)ぐらいを回ると、お母さんの羊水が腐ってくるんですね」と発言をして大バッシングを受けたことがあった。
「彼女のマネージャーが結婚したことを話題にした中での発言でしたが、そもそも医学的にも全く根拠のないことを平然と発言していましたからね。ただ、この時は生放送ではなく録音だったんです。で、放送のチェック体制が問題視されたんですけどね。それが、今でも…。やはり放送現場のレベル低下と言わざるを得ません」(前出の放送担当記者)
口は災いの元とは言うが、やはり、長くやっていると周りの意見も耳に入らなくなってくるものだ。岡村も「驕れるもの久しからず」といったところか。
この際、チコちゃんに叱られた方がいい!