空前のサウナブーム!日本とフィンランドのサウナーが語る「整い方」の違い - BLOGOS編集部
※この記事は2019年01月19日にBLOGOSで公開されたものです
昨今、空前のサウナブームが巻き起こり、改めてサウナが注目を浴びている日本。一方、北欧に目を移すと日本から7500km離れ、「サウナ」という言葉を生んだフィンランドでも、これまでとは違うサウナムーブメントが起きているという。
これほどまでに人々を惹きつけるサウナの魅力とはなんなのか。新刊『公衆サウナの国フィンランド』の著者で、“フィンランドサウナに最も詳しい日本人”とも呼ばれるフィンランド在住のサウナ文化研究家・こばやしあやな氏と、温浴事業コンサルタントとして早くからサウナ専門家として活動する「サウナ王」太田広氏が語り合った。【構成:島村優 スカイスパ横浜MTGルームで収録】
サウナで仕事は忘れるべきか、仕事をするべきか
こばやし:フィンランド在住でサウナ文化の研究をしています、こばやしです。よろしくお願いします。
太田:太田です。よろしくお願いします。
こばやし:サウナ王というのは、どういった称号なんですか?サウナのコンペティションか何かで?
太田:「サウナ王」という呼び名は、もともとは前の会社にいた時のあだ名に由来します。当時コンサルティング会社で働いていて、仕事中に抜け出してサウナ入ったり、夜中サウナに行ったりしていたら、自然と周りからそう呼ばれるようになって。
こばやし:すごいですね。時間を見つけてサウナ。
太田:会社的に本来はダメなんですけど、頭が回転しなくなるとうまくいかない仕事なので、そういう時にサウナに行っちゃうと。
こばやし:ヨガでリセットする的な。
太田:そう、疲れたらサウナで回復して会議に出席する、といったことを毎日やっていて、毎月15~20万円くらいのお金をサウナにつぎ込んでいたら、社内表彰制度で「何か一つのことに取りくんでいる」ということで「サウナ王」として表彰されて、この呼び名が定着しました。
次の年に経営コンサルとしてテレビ出演する機会があり、「サウナ王」と名乗ってからはずっとこの肩書きを使っていますね。
こばやし:それは会社の近くの同じサウナに行っていたんですか?
太田:いえ、同じところではなく使い分けていました。大事な会議があって頭が働かないとまずい勝負の日はこのサウナ、社内の軽いミーティングだけの日はこの銭湯、という具合に。
こばやし:勝負サウナがあるんですね。
太田:他にも、アイデアが出なくなったら、部下を連れてきてサウナで会議をする、といったことをしていました。
こばやし:それはフィンランドでもよくやっています。外交官や大使が「サウナ外交」を行ったり、ビジネスマンが商談相手をサウナに連れて行って仕事の話をしたり。ただ最近のフィンランドでは、そうした習慣は「男の文化だからやめましょう」という流れになっています。
太田:日本でもそうですね。僕も人事部に怒られたことがあります。女性社員から「太田さんにサウナに連れて行かれる。会議室があるのに嫌だ」と言っていると。
こばやし:女性からしたら化粧も落としたくありませんよね。
太田:館内着も着たくないと。昔は「うるさい!」って言って連れて行っていたけど、今はさすがにもうそういうことは出来ません。ただ、私はサウナの方が様々なアイデアが浮かぶと思っています。会議室よりも、良いアイデアも出てくる気がする。
こばやし:個人的には、仕事を忘れられるのがサウナの良いところの一つなので、サウナには仕事を持ち込みたくないと思っています。これは多くのフィンランド人も同じだと思います。
ただ、その一方で、最近はフィンランドで若者を中心にサウナブームが起こっていますが、クリエイティブな職種の人が熱心に通っているという面があります。老舗公衆サウナが残る場所も、東京でいう高円寺や下北沢のような場所なんですけど、彼らに話を聞くと公衆サウナに行くとクリエイティビティが刺激されるとも言っています。フィンランド人の中でのサウナに対する考え方が変化しているのかもしれません。
日本のサウナはレジャー施設として広がった
太田:最近ではネットやSNSの影響で日本でもサウナブームが来ていますが、当時は今と比べ物にならないほど、サウナは地味な存在でした。僕も趣味がサウナや水風呂だと言うと、ちょっと変わっていると思われて。今でこそ僕も好きなんです、と言われることも増えましたけど。1990年代から2000年にかけての話ですね。当時、全国のサウナ巡りをしているのは私しかいなかった。
こばやし:「お遍路型」ですね。
太田:自分が通うお気に入りのホームサウナがある、というのが一般的でした。今はSNSで情報がつながりますが、昔はサウナに行くと地元のおじいさん、おじさんがいて「どこから来たんだよ」「地元じゃねえだろ」と言われるようなアウェー感がありました。
こばやし:今は検索サイト「サウナイキタイ」もできていますね。
太田:そう、情報が広がっているんですよ。当時はSNSどころかネットも普及していないので、例えば大阪駅で降りたら、電話帳でサウナのページを調べて一軒一軒電話するところからサウナ巡りが始まりました。
「どんなサウナなんですか?」「水風呂はあるんですか?」「温度は何度くらいですか?」などと聞いて。
こばやし:電話帳!それは大変ですね(笑)。
太田:10円玉をたくさん持ち歩いて。レンタカーにカーナビもない時代なので、地図を片手に運転して行って、いざサウナに入ってみても当たり外れがあって一喜一憂して。今は最初からネットで調べれば温度や設備が全部わかるから便利です。その分自分で見つける楽しみはなくなったかもしれませんね。
こばやし:この間、中央アジアにフィールドワークに行ったんですけど、カザフスタンとかキルギスには日本の「サウナイキタイ」のような検索サイトあって、情報は日本よりも充実しているんです。例えば、ヴィヒタ(白樺の束)が何の種類があるかとかまで書いてあるんです。
太田:それはすごいな。
こばやし:フィンランドにはないんですけど(笑)。フィンランド人にとってサウナというのは、日常にあるもので、日本人にとってのお風呂のような存在です。現代の人は毎日サウナに入るわけではないと思うんですけど、やっぱり入らないと気持ち悪い、という感覚があるようです。体もきれいになるし、サッパリする。気持ちもリフレッシュして、リラックスできる、そういう日常習慣の場所です。
フィンランド人は昔から「ストーブがあってベンチがあるサウナに入れれば良いんだ」くらいのスタンスで、サウナ室の中は何十年、何百年と変わらないんですよ。
太田:そうなんですね。
こばやし:少しくらい新しい要素があってもいいじゃないですか。サウナ室をデコレーションするとか、熱波を扇ぐパフォーマンスをするとか。でもフィンランド人は、そういうものに全く関心がなくて。最近はサウナツーリズムも盛り上がっていますが、「こんなものが観光資源になるとは思ってもみなかった」と現地の人がよく話しています。
太田:日本のサウナは、創生期にレジャー関係者が手がけることが多かったので、サウナ室が派手だったり、明るかったりするのが現在まで続く特徴です。まずサウナ室にテレビがありますからね。
こばやし:日本以外では、テレビは置いていないですよね。サウナは主に男性客を楽しませるための施設だったと思いますが、やましくはないんですよね?
太田:やましくはないですよ。ただ、サウナから出たらクラブがあってホステスがいる施設や、水着の女の子がスタッフとして働いているところもありました。ビキニの子がサウナマットを回収したり、温度を読み上げに来たり。
こばやし:なるほど。
太田:レジャーは不景気になると最初にお金が使われなくなるので、バブルが崩壊して金回りが悪くなったことのサウナ業界への打撃は大きかったですね。
こばやし:水風呂は昔からあったんですか?
太田:水風呂は戦後、サウナが日本に登場した時代からありました。
こばやし:フィンランドには水風呂はないんです。サウナの前に湖のような天然の水風呂があれば入りますけど、公衆サウナは街中だからありません。外気浴できれば良いので、特に必要もないと。日本の水風呂はどこから来たんですかね。
太田:ドイツにはサウナとセットで大きなプールがありますよね。
こばやし:そうか、その延長で水風呂が導入されたのかな。
日本のサウナは「サウナ」なのか問題
こばやし:サウナという言葉はフィンランド語ですが、サウナ自体は北ユーラシア大陸どこにでも同じ文化があって、フィンランド発祥とは言い切れないんです。そんなフィンランド人にとってのサウナというのは「焼け石に水をかけて蒸気を浴びる」という行為のこと。それ以外のものは「○○サウナ」と呼ぶことはできるけど、現地の人たちにはあまりピンと来ていないようなんです。
フィンランドの場合、サウナ室が暑いのは部屋を温めるのが目的ではなく、蒸気を浴びている結果的にその熱で部屋の温度が上がっているというだけで、せいぜい室温は60度くらいです。蒸気を浴びると体感温度が上がるので暑いですが、100度を超えるような部屋はありません。
太田:日本の場合は、バブル時代は100度を超えているサウナが当たり前でした。一番高いところで130度のサウナもありましたよ。扉を開けた瞬間に、蒸気がブワッとバックドラフトのように噴き出して(笑)。
こばやし:それはすごい(笑)。
太田:すぐには入れないから一旦ドアを閉めて。少しずつ少しずつ開けながら入っていたんですよ。130度なんて健康に悪いに決まってるじゃないですか。
こばやし:私は絶対倒れると思います。
太田:100度だって健康に悪いんですから。でも当時は高温が当たり前で、我慢するのが男の勲章だ、みたいな捉え方でした。
こばやし:「我慢の文化」だったんですね。
太田:ただバブル崩壊後に、そういうやたらと温度が高いサウナはほとんど廃業してしまいましたね。今あるのはまともなサウナばかりです。
こばやし:湿度でだいぶ過ごしやすさが変わりますよね。湿度が高ければ、まだ息もしやすいけど。
太田:日本のサウナはカラッカラのところが多いですね。湿度が10%ないんですよ。焼け死ぬんじゃないかと。それを我慢するのが「大人の男」だとされていましたが、それも変わり始めていますね。
今、対談をしているここのサウナの存在も大きかったんです。
こばやし:スカイスパYOKOHAMAさん。
太田:スカイスパができたのは22年前なんですけど、100度を超えるのが当たり前の時代に、80~90度のサウナを作った最初の一軒でした。お客さんからは「なんで90度なんだ!」ってクレームも多かったと聞きます。
こばやし:こんなのサウナじゃない、と。
太田:従業員に「温度上げろ」と言ってくるお客さんも多かったようですが、これが体にいいんですよ、と伝え続けることで利用者の間でも認知されるようになっていったようです。
こばやし:日本ではサウナ室以外にも様々な設備が充実しています。フィンランドのサウナは良くも悪くも昔から変わっていないので、サービスやシステムで多様性を生み出して、そこにお客さんがつく日本のサウナは面白いなと思います。
太田:日本のサウナはレジャー施設からスタートした歴史もあり、、サウナ室だけではなく、飲食スペースや料理の味、お酒の種類、マッサージ、休憩コーナーの良し悪しなど「アフターサウナ」が充実していることも重視されています。
一人で安らぐか、賑やかに過ごすか
こばやし:お酒に関して言うと、フィンランドはアフターではなくサウナ室内で飲むことが多いですね。公衆サウナでは禁止されていますが、家のサウナに入る時は。
その分、外気浴をするスペースにはお酒の持ち込みOKの公衆サウナも多いです。だから、公衆サウナに行く前にはスーパーでアルコールを買って行くんですけど、場所によっては冷蔵庫を貸してくれるサウナもあります。冬場は寒いので、庭の雪に缶を挿して冷やしておくこともできます。フィンランド人にとっては、こういう外気浴している間のコミュニケーションがすごく大事なんです。
太田:なるほど。日本の温浴施設だと、実は8割以上がひとり客なんです。サウナに行く目的も、一人になって安らぐ場を求める人が多かった。最近は連れ立ってサウナ行くという話も聞きますが、以前にはほとんどいなかったと思います。
こばやし:一人ずつサウナに来ているお客さん同士で、会話が生まれるようなことはないんですか?
太田:一瞬生まれても、サウナを出たらすぐに別々の行動をとりますよね。仲良くなって休憩室やレストランに行くようなことはない。
こばやし:その感覚はフィンランドでも同じですね。むしろ現代人にとってそれが楽しいというか。現代人はガッツリ人と付き合うのは嫌なんだけど、たまたま知り合った人と話が弾んだり、少し交流があったりするのが心地良い。
だからフィンランド人にとってのサウナは、日本人がお茶をするようなイメージなんです。サウナにはもちろん入るけど、合間に人と話したり交流したりする、そういう体験を含めて楽しむという。知らない人同士でもお互い裸だしホカホカしているし、会話が弾んで「ビール足りないなら俺の飲めよ」となることもあって。マイナス20~30度で外気浴するだけだとすぐに湯冷めしてしまいますが、そういう時に凍りかけの湖や雪で一度体を冷やすとバスタオル一枚でもしばらく外にいられるんです。
太田:日本で、サウナ→水風呂→外気浴が一連の動作として認知されたのも比較的最近です。昔はみんなそれぞれ勝手に自分なりのサウナのやり方を楽しんでいました。
でも、やっぱりサウナは自分を取り戻すための施設としてはすごく良いですよね。30年以上サウナに入り続ける生活をしていますけど。
こばやし:輪の一部にもなれるし、孤独にもなれる。一人でいる人を無理やり引っ張りこむこともないし、交わりたくなったらジョインもできる。サードプレイス的な居場所として考えた時に、喫茶店とかと違った良さがあるのかなと。気持ちよくなれるし、だからこそ誰かと話したくなる。
太田:今日もまたサウナに入って帰ろうと思います。どうも、ありがとうございました。
こばやし:ありがとうございました。
個人的おすすめサウナ
サウナ王・太田広のおすすめサウナ6選
① 新橋アスティル/東京都港区 日本で初めてウォーターセレモニーを導入した施設。15分に1回、光のパフォーマンスと共にサウナストーブに水が落ち蒸気が発生。立ち上った蒸気が室内に広がり、心地よい熱さが降り注いできます。一人用サウナマットが使い放題で、サウナ室内にテレビはなく厳かな雰囲気。水風呂は16℃で、水風呂後にはテルマベッドで休憩するとリラックスできます。最近では珍しく館内着がガウンなのもゴージャス感がありくつろげるのもポイントです。
② スカイスパ/神奈川県横浜市 サウナ室の壁面にケロ、ベンチにはアバチを使用し、床暖システムを導入した最高のサウナ室。ストーブは Havia 社製ストーブによるツインタワー方式で、一つはアウフグース用、もう一つは自動加湿用というこだわりで、温度と湿度のバランスが絶妙。サウナ室内にテレビがなく、大きな窓からみなとみらいの景色が 見ながら、サウナ浴を楽しむことができる。コワーキングスペースがあるので、 仕事内容によっては出社せずに一日中サウナを楽しめる施設です。
③ 湯らっくす/熊本県熊本市 日本最深の171cmの水風呂の高さ2m50cmの場所に設置された「MAD MAX」ボタンを押すと、真上から毎分100ℓの大阿蘇の伏流水が強烈な勢いで落ちてくる壮絶水風呂が体験できます。メディテーションサウナではセルフロウリュを堪能でき、メインサウナではアウフグースも行っています。備長炭蒸し塩サウナや泥パックも使い放題。本格的なヨガ体験やローラアシュレイの内装で統一された専用休憩室もあり女性にも人気の施設です。
④ ニコーリフレ/北海道札幌市 熱波師の人数が30名以上と、日本一熱波師がいる施設。エレガント渡会など、スター熱波師がいるので、お好みの熱波師を見つけることもできます。サウナ室正面に鎮座するロッキーサウナの上に大量の石を更にうず高く積み上げたオリジナルサウナストーブに感動します。サウナ室内には空気清浄機を設置しているため息 苦しさを感じない。その後、水温12℃の備長炭凛水風呂(冬期)は潜水も可能。ガッツリ系男飯中心の飲食や2万冊の漫画も揃えたまさに男の楽園施設。
⑤ 草加健康センター/埼玉県草加市 厳選した8種類の漢方生薬を自社薬草専用工場にて、精製、調合し作られた独自の効仙薬草をふんだんに使用した効仙薬湯は一日の浴槽投入回数日本一。サウナ室では爆風マシーンを2基使った風速80mの熱風が全身に襲いかかる爆風ロウリュが名物。温浴施設としては日本最大級となる4万冊の漫画コーナーが あり、歌謡ショーやビンゴ大会など、日々イベントを開催もしているので、終日楽しめるます。和洋中寿司の料理人たちを揃えた自慢の飲食は美味。
⑥ ザ・ベッド&スパ 所沢/埼玉県所沢市 サウナ施設は天井まで「木の宝石」と呼ばれるフィンランド産樹200年以上のケロを使った日本では希少なサウナ室があります。水風呂は埼玉県一冷たい13℃設定の備長炭強冷水風呂。その他、ヴィヒタスチームや不感温度バイブラ、露天水中リクライナーがあり、元自衛隊の隊員による日本初のアーミーロウリュも実施しています。所沢駅徒歩30秒の立地を活かした日本初となる鉄道ビューラウンジでは所沢駅発着のバラエティー豊かな列車を眺めながら飲食もできます。
こばやしあやなのおすすめサウナ3選
① ラヤポルッティ・サウナ(Rajaportin sauna)/フィンランド・タンペレ タンペレ市にあるフィンランドの現存最古の公衆サウナです。1906年創業で、当初から修復を重ねて使われている重さ3トンの焼却炉みたいなサウナストーブから出るロウリュの力強さと発汗作用は、まさに歴史遺産。 加えて、ここの魅力は地元の常連さんのフレンドリーさ。言葉の通じない外国人観光客でも手とり足取り横で作法を教えてくれるし、男女がバスタオル一枚の姿でビールなど飲みながら、中庭でクールダウンしている光景は世界平和そのもの。敷地内には、バスタオル姿でも入店して飲み物を買えるカフェもあります。 日本語サイトあり(私が訳しました)。
② ソンパサウナ(Sompasauna)/フィンランド・タンペレ 宅地開発が進む半人工島の突端にある、ソンパサウナはもともと、作り手不明のサウナ。まだ開発の手が及んでいない島の先にあって、それを見つけた市民が面白がって利用しているうちに口コミで広まって、市が撤去に踏み切る事態に。でもそれを憂いた愛好家たちが2013年に協会を立ち上げて正式な土地借用の資金繰りをし、サウナ小屋を次々にセルフビルドして、24時間365日、常在する管理者はいないけれど誰もが無料で自由に使って良い、いわば公園のベンチ同様のサウナ群を運営するようになった施設です。
商業施設ではないので男女別浴or水着を着て混浴、という一般常識には当てはめられず、多くの利用者は素っ裸で健全に混浴を楽しんでいる。クールダウンには目の前の海にも飛び込める。身も心も開放し、見知らぬ人たちと信頼しあいながらお手製サウナを楽しむにはこの上ないユートピア。
③ 駒の湯/東京都世田谷区 高円寺小杉湯の番頭イラストレーター塩谷歩波ちゃんにオススメされて一緒に行って、思いがけず良かったサウナ付き銭湯です。1.5メートル四方くらいの実に小さなボナサウナがついているのですが、日本のサウナにありがちな高温低湿のサウナとは対照的で、70度強で呼吸もしやすく潤いあるサウナ室内だったので、ロウリュこそしないけど、フィンランドサウナに入っているときの心地を不思議と思い出させてくれました。
しかも、テレビはないけど、サウナ室内でずっと演歌が流れてる(笑)。日本人にとって、演歌×サウナってこんなに癒やされるのか、と我ながら衝撃でした。あとは水風呂がキンと冷えてて、温冷交互浴にも最適。
プロフィール
こばやしあやな
サウナ文化研究家。1984 年岡山生まれ、大阪・神戸育ち。
大阪大学大学院に在学中、フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)建築学科に1年間留学し、帰国後からフィンランド語の独学を始める。東京で2年あまり雑誌編集者として働いたのち、2011年にフィンランド中部地方のユヴァスキュラ市に移住。
2016年にユヴァスキュラ大学大学院修士課程を首席で修了。卒業後にフィンランドでJapanin Koordinaatio Ayana社を立ち上げ、以後はおもにメディアコーディネーターとして、撮影取材の帯同サポートをメインビジネスとする一方で、大学院での研究実績を活かし、日本とフィンランドの入浴・公衆浴場文化のインタラクションを促進する活動にも積極的に取り組んでいる。最新のイベント情報はこちら。
サウナ王(太田広)
経営コンサルティング会社でチームリーダーとして活躍後、独立し2006年に温浴施設のコンサルティング業務全般を行う株式会社楽楽ホールディングスを設立。
入浴した温浴施設数は海外施設も含め1200施設を超え、日本一(年間330日以上)サウナと水風呂に入っている経営コンサルタントとして、『サウナ王』の愛称で親しまれている。
また、経営コンサルタント業の傍ら、サウナ伝道師、水風呂伝道師として、「サウナで世界を救う」を合言葉にサウナ道&水風呂道を全国に広めるための布教活動を行っており、テレビ、FM・AMラジオなどにも出演。Twitterにてサウナ情報を発信中。
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