※この記事は2010年01月10日にBLOGOSで公開されたものです

先週話題になったBLOGOSの記事をまとめました。今回は「公開会社法」についてです。

民主党・藤末議員がTwitterで自ら寄稿したコラム「会社は「株主」のものか?」を紹介。会社関連の法制度を変えるべきだと主張しましたが、ブロゴス内のブロガーの多くはこの意見に否定的な見方を示しました。

公開会社法とは
株式を公開している会社等は、投資家、取引先や労働者、地域など様々なステークホルダー(利害関係者)への責任を果たすことが求められます。公開会社に適用される特別法として、情報開示や会計監査などを強化し、健全なガバナンス(企業統治)を担保する公開会社法の制定を検討します。
(民主党政策集INDEX2009より)


公開会社法 本格議論進む|ふじすえ健三 Blog
藤末健三

ポイントは2点ございまして、

1.これまでよりも、会社の規模により分別した規制をかける、ことが重要です。
すなわち、上場企業は特別な規制が必要ということです。
金融証券取引法との調整・連携も必要です。

2.最近のあまりにも株主を重視しすぎた風潮に喝を入れたいです。
今回の公開会社法にて、被雇用者をガバナンスに反映させることにより、
労働分配率を上げる効果も期待できます。
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意見

会社はみんなのものだけど… ― 公開会社法法制に対する疑問|Nothing Ventured, Nothing Gained.
ESQ
「会社は誰の所有権に属するか?」という設定をすれば、それはもちろん、株式という、いわば分割された所有権を有する者、つまり、株主の所有権に属すると私は答えるだろう。この点、藤末議員も「法律的には株主のもの」と言っていることからも、この点に対する認識は同じであろう。

問題は、前者の「会社は誰のものか?」という非常に抽象的な問題設定と、後者の「会社は誰の所有権に属するのか?」という具体的・法的問題設定とを混同して議論することにある。

少なくとも、私の知る限り、こうしたトンチンカンな議論をするのは我が国だけである。上記の問題設定の混同が、株主至上主義だという良く解らない主張を生み出し、「会社のコンプライアンスや監督是正権の実効性確保」という本質的な問題点からズレた議論を生み出してしまっていると私は考える。

したがって、そもそも、一番重要な公開会社法制定の目的・趣旨の段階において、民主党の主張は迷走してしまっているのである。
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公開会社法なる法律を作ろうとしている奴がいるらしいが|堀江貴文オフィシャルブログ
堀江貴文
法律が増えれば増えるほど、厳しくなればなるほど役所が増える。そして天下り先も増えるという単純な構造に気づくべきだ。例えばマスコミが食品偽装だのなんだのと叫んだら消費者関連法案ができ消費者庁なる役所まで出来てしまった。政治家の人気取りもあるだろうが、本質的には役人の仕事創造計画だ。割をくうのは国民なのだ。

本来は必要ない法律は撤廃、厳しすぎる規制は撤廃すべきなんだ。たとえば、公開会社法の推進をしている民主党の藤末とかいう議員が言っていることは意味不明だ。
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「公開会社法」が日本を滅ぼす|池田信夫blog
池田信夫
労働者管理企業をめざす公開会社法は、日本をユーゴのような社会主義にし、株主の投資に労働者や他の雑多な「ステイクホルダー」がただ乗りすることを容易にして、ただでさえ低い株主の投資意欲をさらに減退させ、日本の成長率をマイナスにするだろう。磯崎さんも嘆くように、exitの見通しが立たなければ起業なんてできるはずがない。
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株主至上主義って?|経済学101
青木理音
企業は株式会社という形態をとる必要はないが、それが資金調達に有利なので株主を会社の持ち主にしているのだ。それを抑制するということは、資金調達が困難になり企業の拡大が阻害されることであって、現状のまま従業員への利益配分が増える(=労働分配率が上がる)という意味ではない。
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「公開会社法」法制化とソフトローの役割|ビジネス法務の部屋
山口利昭
社外役員導入問題については「上場会社への一律適用」がどうしても必要なのか(人数を含めて)、独立性要件についても必要なのか、という点であります。たとえば今回の上場ルール改訂のように、ソフトローとしての証券取引所におけるルール改訂では十分に対応できないのか?という意見も成り立つのではないでしょうか。どうしてもソフトローでは株主主権主義を貫徹できないから・・・ということであれば理解もできそうですが、民主党議員の方はそもそも「会社は株主のもの」という思想には反対されているようですから、そうであればまずソフトロー的な施行で様子をみてから、ハードロー適用の是非を検討する、という手法をとらないのでしょうか。たしかに時事通信ニュースなどによりますと、民主党は東京証券取引所と協力して、ソフトローによる先行実施を働き掛ける・・・という報道もなされておりますが、そうであれば、もうそういったニュースも法制審議会諮問と同時に出てこなければおかしいような気もいたします。
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関連ニュース
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リンク
・民主党参議院議員 ふじすえ健三
・藤末健三 on Twitter
・民主党政策集INDEX2009

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