【佐藤優の眼光紙背】竹島を管轄する隠岐の島町に対する韓国によるゴミ攻撃を許すな! - 佐藤優
※この記事は2008年08月26日にBLOGOSで公開されたものです
韓国によって不法占拠されている竹島を管轄しているのは、島根県の隠岐の島町だ。松田和久町長をはじめ、この島の人々は、竹島問題に対して熱心である。筆者は、6月25日と8月11~12日に隠岐の島町を訪れ、竹島に関する調査をしてきた。8月に八幡昭三氏から貴重な資料の提供を受けた。八幡才太郎氏(故人、昭三氏の父)が、1971年6月、当時の竹下登官房長官(後の総理)に送った、1954年6月14日、八幡才太郎氏をはじめとする隠岐の島(島後)の人々が韓国の官憲の警戒をすりぬけて、日本人として最後に竹島に上陸したときのことだ。八幡才太郎氏はこう記す。<14日未明には先導の艦船より無線で韓国人は居ない、急いで航行せよとの連絡で全速力で竹島に着きました。
人影は無かった。日本領土と大書された標柱は破損せられ、朝鮮領土と書き換えられてありました。これを日本国島根県と書いてきた次第です。>
筆者この部分を読んだときに胸を鷲づかみにされる思いがした。八幡丈太郎氏たちが書いた「日本国島根県」の標柱は、その後、韓国人によって破壊されたのであろう。しかし、韓国による拿捕、銃撃の危険がある中で、隠岐の漁民が、文字通り身体を張って、竹島は日本の領土であるという印をつけてきたことの歴史的意義は大きい。本来、外務省が行わなくてはならない領土保全に対する義務を、外務省が怠っているために、地方の漁民が日本の領土保全のために勇気ある行動をとったのである。
離島での生活は厳しい。しかし、隠岐の島という韓国と国境を接するこの土地で生活している人々がいるから、日本の領土は保全されているのである。韓国は隠岐の島町の管轄である竹島を不法占拠するのみならず、別の攻撃も仕掛けてきている。韓国から漂着するゴミだ。
隠岐島漁業共同組合連合会の濱田利長代表理事会長の案内で、津戸という海岸を訪れた。崖のような場所で、夕日がきれいに見える。「ここでアワビやサザエを採ってはいけません」という注意書きが書かれている。よい漁場なのだろう。
急勾配を降りて、海岸に近づこうとするが、漂着ゴミの山に阻まれてできない。韓国語の表示がなされた赤、ピンク、橙、緑の灯油用ポリタンクのような容器が百個以上、発泡スチロールの壊れた箱が数え切れないほど、それから網に付ける浮き、網、更に数百本のペットボトルが漂着している。韓国語の表示がされた数百個の液体石けん容器が山をなしている。
これはゴミを用いた韓国による日本に対する攻撃である。一度、このゴミの中から、韓国語の表示がなされたものだけを拾い集め、トラックに積んで、東京の韓国大使館に「貴国から漂着した韓国の動産なので、お返しします」と言って、送りつけてやればいいと思う。隠岐の島の人々は、文句も言わず、ひたすら韓国からの漂着ゴミを掃除しているのである。
濱田氏は、「ドラム缶など、中に危険物が入っている可能性のあるものの漂着が恐いんです」と言っていた。事実、過去に産業廃棄物が入ったドラム缶が漂着したことがあるという。
ゴミ問題についても、日本外務省は速やかに韓国と協議して、具体的対応策をたてるべきだ。少なくとも、対韓国外交、竹島問題を担当するキーパーソンである外務省の山田重夫北東アジア課長は、隠岐の島町を訪れ、地元の人々の声に耳を傾け、海岸に赴き、韓国が何をしているか、現状を正確に認識すべきと思う。(2008年8月24日脱稿)
プロフィール:
佐藤優(さとう・まさる)…1960年、東京都生まれ。作家・起訴休職外務事務官。日本の政治・外交問題について、講演・著作活動を通じ、幅広く提言を行っている。
著書に「国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス 1100)画像を見る」、「インテリジェンス人間論画像を見る」など。
眼光紙背[がんこうしはい]とは:
「眼光紙背に徹する」で、行間にひそむ深い意味までよく理解すること。
本コラムは、livedoor ニュースが選んだ気鋭の寄稿者が、ユーザが生活や仕事の中で直面する様々な課題に対し、「気付き」となるような情報を提供し、世の中に溢れるニュースの行間を読んで行くシリーズ。