原作ファンも絶対に「ありがとう!」と言いたくなるクオリティ!TVアニメ『アオアシ』序盤の名シーンは……大鈴功起&橘龍丸インタビュー
NHK Eテレにて毎週土曜日午後6時25分〜放送中の、サッカーJリーグのユースチームを舞台にプロを目指し奮闘する高校生たちの青春を描くTVアニメーション『アオアシ』より、青井葦人役の大鈴功起さん、大友栄作役の橘 龍丸さんのインタビュー<後編>をお届けします。
原作は、週刊ビッグコミックスピリッツで連載中の小林有吾先生による大人気コミックス。累計1100万部突破、第65回小学館漫画賞一般向け部門を受賞、日本サッカー界とも多くのコラボレーションを続ける「いまもっともアツいサッカー漫画」が待望のTVアニメ化です。
アニメーション制作は『黒子のバスケ』『ハイキュー!!』などを手掛けるProduction I.G。監督はさとう陽氏、シリーズ構成は横谷昌宏氏が担当しています。
青井葦人役の大鈴功起さん、大友栄作役の橘 龍丸さんに、見どころや作品の魅力などお話を伺いました。
――アフレコで苦労した部分は?
大鈴:毎週楽しく苦労している感じなんですけど(笑)。1つは方言ですね。方言指導として福島潤さんが毎回ブースにいらっしゃるので、終わるたびに毎回「どうでしたか?」と聴きに行って。段々慣れてきた感じはするんですけど。
台本の中から伊予弁の必要な箇所を福島潤さんが探してくださって、ボイスメッセージにして送ってくださるんです。それをめちゃめちゃ聴いて喋って練習する、ということをしています。
橘:毎週やっているってすごくないですか?毎週ですよ!? すごい真面目ですよ。
大鈴:あとはセリフ以外の息遣いやリアクションの言葉みたいなものが難しくて。飛んできたサッカーボールが顔に当たるシーンで、台本では「ぷっ!」と書いてあって、テストのときに息を吐く感じでやったら、「もっと汚い音を出してみて。鼻鳴らすイメージで」と言われたんですけどあまり自分の中で掴めなくて。そうしたら、ブースの後ろにいた山下誠一郎さんとか武内駿輔さんがフガフガやってくださって、「こういう感じだよ」って。
橘:武内くんはやっていそう(笑)。
大鈴:それを聴いて、「なるほど、それか!」とやってみたら、一発でOKをもらえたことがありました。
――また、オーディションから収録までは間が空いていたんですね。
橘:大鈴くんは真面目だから、原作の舞台の愛媛まで行って勉強したりしていたけど、僕はごめん、何もしてない!と思って(笑)。
大鈴:いやいや、いいんですよ(笑)!
――決まってから収録までの期間は、大鈴さんは準備として何をされたんですか?
大鈴:僕はサッカーの知識があまりなかったので、これはサッカーを見なくては!と思いまして、サッカーに詳しい友達に付き添ってもらって一緒にスタジアムに観戦しに行ったり、DAZNに入ってJリーグを観たりしました。
――観戦すると選手の息遣いも演技の参考になりそうですものね。
大鈴:ちょうど時期的にコロナ禍で客席の応援の声が出せない時期だったので、映像で観ていると、より選手たちの声が聞こえてくるんです。選手たちが実際にコート内でどういう風に声を出しているかが聞こえやすくて、僕にとってはある意味いい時期だったかもしれません。
また、龍丸さんがおっしゃってくれたように愛媛に行きました。僕は行ったことがなかったので、あまりイメージが湧かなくて。アシトが15年間住んできた場所はどんなところなんだろう?と思い、1人で一週間滞在しました。行ってきました。観光地はもちろん、アシトの住んでいる双海の街や駅にも行ってきて。とてものどかなところでした。自然や海を見て、こういうところで生きてきたんだな、と想像よりも鮮明にイメージできて、行ってよかったなと思いました。
――橘さんは改めて原作を読み込んだりされたのでしょうか。
橘:原作はもちろん読ませていただいていますし、サッカー漫画には今まであまり触れてこなかったんですけど、この機会に触れさせていただいて、「こんなに面白いんだ!」と思いました。ポジショニングなどもあんなにたくさんあるものだと知らなかったです。なんとなく普通にみんなでボールを追いかけて、キーパーと選手がいるくらいの感覚しかなかったので……。
――学生時代にプレイしたりはされなかったんですか?
橘:僕は根っからの役者で、10歳のときから父親と旅巡業しながら演劇活動をしてきたもので、部活動にほとんど触れてこなかったんですよ。ただ、10歳のときから旅巡業が始まったんですけど、その前に唯一最後に触れていたスポーツがサッカーなんです! でも、やり始めた頃なんてランニングするか、ボールをみんなで拾ってとか、試合に出るという感覚ではなかったので、ほとんどボールに触らずに退部したんです(笑)。だからこの作品を通じて改めてサッカーと向き合わせてもらって、こういうご時世なので難しいと思いますけど、キャストのみんなでボールを蹴る機会があったらいいなと思っています。
大鈴:やりたいですね。
――改めて作品の魅力はどんなところだと思いますか?
大鈴:熱いシーンだったり、心が震えるようなシーンもたくさんあるんですけど、サッカーだけじゃなくて、人間ドラマみたいな心理的なところも、サッカーと同じくらいの熱量で描いてくださっているので、すごい激しい部分と静かな部分のメリハリの効いた作品だと思います。
あと、ユースという珍しいテーマで、その分、サッカーの戦術や専門用語が他のサッカー作品よりもたくさん出てくると思うのですが、それを難しいと感じさせない。読んでいてスッと入ってくるので、読んでいるだけでサッカーが上手くなったり詳しくなった気になれるような作品だと思います(笑)。
橘:僕の中で、こういうスポ根的なものは「こうなるだろうな」とか、この選手がこう育っていったら、いつかはメジャーリーガーみたいな流れが王道かな、と普通に構えて見ると、どんでん返しをくらう作品で。「まさかの!?主人公が!?」みたいな、良い意味の裏切りがあるというか。こんなに予測できないスポ根ものもないだろうなと、思い描いていたものと違う方向性に持っていかれちゃう。でも、それがすごく気持ち的に惹かれていく。良い意味で裏切りのある漫画だなと感じていました。
その部分は徐々にいっぱい出てきて、大友もそうですし、まさか序盤にあんなにビビっていた奴がそうなっていくとは思わない、みたいな予想外などんでん返しがこの作品はすごくいっぱいあるので、それ故に、いろんな人の心を掴んでいる漫画なんだろうなと思います。
大鈴:あと、爽快感ですね。を感じていて。壁にぶつかるたびに、もがいて苦しむ時間がすごく長いんですよ。その分、壁を1つ越えた瞬間の気持ちよさをすごく感じますね。
――また個人的には、ユースに入るのがこんな難しいことだというのも知らなくて。同級生がユースに入ったよ、という話は本当にすごかったんだ、と改めて知ることができました。
大鈴:確かに。
橘:わかんないですもんね! 素人は知識もないですし。そういった意味でも本当に一握りなんだな、と。メジャーに行けると言ったら、本当に相当なんだなと思います。
――アシトは熱血で突っ走っているように見えて、頭が悪いわけではないじゃないですか。この作品は、バカっぽいキャラは誰も出てこないんですよね。
橘:実はいないんですよね、この作品は。
大鈴:みんな考えて考えてという感じですよね。
――でも、そうでなければきっと上にいけないというか、上手くなれないのかなと。またアシトのような、あれほど俯瞰してゲームメイクができる選手がいたら、サッカーを観戦するのもめちゃくちゃ楽しくなるだろうなと思いました。そして、みんな大人ですよね……。
橘:めちゃめちゃ大人ですよね。10代の頃、そんなに考えてなかったなって(笑)。
大鈴:それで言うと、セレクションの時の金田なんかは結構少年らしいですよね。
橘:そうだね、見た目通りの(笑)。
大鈴:気が荒いところも(笑)。
橘:でもああなっちゃうよ。普通の人だったら、こんな力の差を見せつけられちゃったら、それは脚も動かないよ。そこでやっぱり脚を動かせるのが一種の天才だったりするんだろうなっていう。努力だけじゃない部分でもあるんだろうなって。良い意味でも悪い意味でも、努力だけではどうにもならない瞬間みたいなものを、この漫画を通して突きつけられる。アシトの選ぶ道の話もそうだけど。
――序盤の見どころは?
大鈴:青井葦人の負けん気やちょっと短気なところ、1つ決めたことに対して夜が明けるまでやり続けるようなところとか、アシトがどんな人間なのかが存分に詰め込まれています。そして福田監督がアシトの能力というか、どんなところに惹かれて声をかけたのか、という部分は、後々にも繋がってくるところでもあるので、注目していただきたいですね。
橘:セレクションはまだどのキャラクターが残るのか、そして去るのか、というところでみんな真剣に向き合っているところなので、そのピリついた感じだったり、アシトの戸惑いだったりがすごく表現されています。本当に1話1話丁寧に作ってくださっているので、原作を読んでいても「このシーンは絶対セリフとして残ってほしいな」というところを全部残してくださっていて。
大鈴:本当にそうですね。
――セレクションに参加するメンバーも個性的ですよね。
橘:意外な人物が一回挫折を味わったり。そこの描写もとてもリアルだと思いました。
大鈴:そこの絶望するお芝居が本当にとてもリアルで、影響されて自分も本当に絶望的な気持ちになって。アシトなのでそこから立ち上がってはいくのですが、その場の空気を一気に絶望的なものに引っ張ってくださったお芝居がとても印象に残っています。
橘:脚本もすごく丁寧なので、原作ファンの方も絶対に序盤から「ありがとう!」ときっと言ってくれるようなアニメになっていると思います。そして、序盤を楽しんでほしいという意味では、アシトの上京シーンです。僕は愛を込めて肝っ玉母ちゃんと呼んでいるんですけど、手紙のところとか、きっと素敵なんだろうな、って。その場に僕は絶対にいないので、収録では観れていないんですけど(笑)。僕らが待機中に、たまに肝っ玉母ちゃんの声がふわっと聴こえてくると、「あ、絶対良いシーンだ!」と思うので、子を送り出す母の感情や、送り出される息子の感情の揺れ動きというのは初っ端から見どころとして、まずその上京物語みたいなところは楽しみにしていただけたらと思っております。
電車の中でのお母さんの手紙のシーンがやっぱり個人的にギュッと心臓を鷲掴みにされるというか。僕も上京するときに、親といろいろ話し合いをしたりしたので、母親ってみんなどんなに息子が好き勝手やっていても、やっぱり送り出していくものなんだな、と感じて、あのシーンが序盤だったら特に名シーンじゃないかなと思いますね。
――では、引き続き楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
大鈴:キャストもスタッフさんも全力でやっている作品なので、きっと素敵なものになっていると思いますし、僕自身も本当に観るのが楽しみです。原作のファンの方から初めて作品に触れる方まで、とても楽しんでいただけると思います。サッカーに限らず、何かになりたいと思っている人に観てもらいたい作品です、ぜひ期待して待っていてください!
橘:原作を読ませていただいてすごく心を揺れ動かされるんですけど、僕みたいなサッカー素人でも、すんなり入れる作品なので、サッカーを知らない人でも絶対に楽しんでいただける作品になっていると思います。原作ファンの人は、絶対に手を叩いて「ありがとうございます!」と言いたくなるくらい、すごくクオリティの高いものに仕上がっていると思いますので、ぜひそこは期待して応援していただけたら嬉しいなと思います。
――ありがとうございました!
TVアニメ『アオアシ』第5話「オレンジ色の景色」はNHK Eテレにて本日5月7日(土)午後6時25分より放送!
インタビュー前編はコチラ↓
TVアニメ『アオアシ』漫画には描かれていない周りのキャラの表情にも注目!青井葦人役:大鈴功起&大友栄作役:橘龍丸インタビュー
https://otajo.jp/107498
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TVアニメ『アオアシ』作品情報
<放送情報>
NHK Eテレにて毎週土曜日午後6時25分〜好評放送中
<配信情報>
各配信サービスにて好評配信中
毎週日曜深夜 0 時〜
バンダイチャンネル、Amazon プライムビデオ、U-NEXT、d アニメストア、dTV、Hulu、
TELASA、J:COM オンデマンドメガパック、milplus、スマートパスプレミアム、ディズニープラス
毎週火曜 12 時〜
NETFLIX、ひかりTV、アニメ放題、FOD、ふらっと動画、Google Play、ビデオマーケット、
GYAO!ストア、DMM.com、music.jp、RakutenTV、HAPPY!動画、ムービーフル Plus
各配信サービスの開始日時に関しては変更となる場合がございます。
<イントロダクション>
「世界へ、連れていってやる。」
愛媛に暮らす中学生・青井葦人(あおいアシト)は弱小サッカー部のエース。
中学最後の大会で負けた日、悔しさをぶつけるように海辺で走り込んでいたアシトは、試合を見ていた一人の男と出会う。
その男--福田達也は、Jリーグ有数のクラブ「東京シティ・エスペリオン FC」で、高校生年代を育成する組織「ユースチーム」の監督だった。
荒削りだが、ある特別な才能を持つアシトに無限の可能性を見出した福田は、自らの野望を語り始める。
「俺には野望がある。俺の作り上げたクラブで、世界を掌中に収める。世界への踏み台じゃない。我がクラブこそが世界だと。その野望のすべてを担うもの、育成<ユース>だ。」
福田の誘いを受け、入団試験を受けに上京することを決意するアシトだったが──
常にサッカー漫画の最前線を走り続ける『アオアシ』が、ついに待望のTVアニメーション化!
挫折、成長、友情-青春の全てがここにある!
<スタッフ>
原作:小林有吾「アオアシ」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:さとう陽
シリーズ構成:横谷昌宏
副監督:曽我準
サッカー監修:竹下健一、曽我準、飯塚健司
キャラクターデザイン:中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
サブキャラクターデザイン:清池奈保、渡部由紀子、大導寺美穂、白井英介、本田真之
総作画監督:中武学、山口飛鳥
プロップデザイン:伊東ありさ、津坂美織
色彩設計:上野詠美子
美術監督:垣堺司、竹田悠介
美術設定:金平和茂、伊井蔵
2D ワークス:濱中亜希子
プリビジュアライゼーション:前島昌格
3D:森本シグマ
撮影監督:今関舞子
編集:村上義典
音響監督:はたしょう二
音楽:横山克
アニメーション制作:Production I.G
<キャスト>
青井葦人:大鈴功起
大友栄作:橘 龍丸
橘総一朗:山下誠一郎
冨樫慶司:八代 拓
黒田勘平:堀江 瞬
朝利マーチス淳:加藤 渉
本木遊馬:榎木淳弥
竹島龍一:熊谷健太郎
阿久津渚:武内駿輔
栗林晴久:梅原裕一郎
中村 平:小野賢章
桐木曜一:内山昂輝
高杉榮太:古川 慎
義経健太:興津和幸
一条 花:河瀬茉希
海堂杏里:上田麗奈
金子 葵:小松未可子
福田達也:小林親弘
伊達 望:安元洋貴
青井紀子:園崎未恵
青井 瞬:中島ヨシキ
<テーマ曲>
オープニングテーマ:[Alexandros]「無心拍数」
エンディングテーマ:Rin 音「Blue Diary」
公式 HP:https://aoashi-pr.com
公式 Twitter:https://twitter.com/aoashi_pr
<原作情報>
『アオアシ』
著:小林有吾
小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載中!
既刊 1~27 巻 好評発売中!
ふりがな付きで読みやすい『アオアシ ジュニア版』
既刊1~4 巻 好評発売中!
(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会