値上がりラッシュの中、安く買えるもの。野菜やPB商品が家計の味方に
物価の上昇がとどまることを知りません。この流れは今後も続くと言われており、家計にとっては心配の種になります。そこで、価格が上がりにくいものなどで上手にコントロールする方法を、節約アドバイザーの丸山晴美さんが教えてくれました。
値上がりラッシュの今、値上がりしにくいものとは?
値上がりが続いています。残念ながらこの状況はしばらく続き、値上げのスパンは短くなると予想しています。値上がりが続くものとしては、資源、エネルギー、原材料も含む輸入食品や日用品、海外ブランド品などさまざまです。これは、コロナとウクライナ情勢によるコンテナの混雑と港湾の混乱などが挙げられます。さらに円安により輸入品の多くが値上げ対象になります。つまり、この反対に国内生産されているものは、比較的値上がりが緩やかであるとも言えます。
●国内で生産されるものは値上がりなし!今、野菜はブロッコリーが狙い目
例として、小麦価格は上昇していますが、国内自給率100%の米は、ほぼ値上がりをしていないとのことで、需要が拡大しています。また、国内で生産されている野菜は、豊作であれば値段が下がります。原稿を作成している4月現在では、ブロッコリーが豊作で安くなっています。つまり、米飯を中心とした旬の野菜を取り入れた食事をすることが節約につながるということです。
●価格据え置きが多いPB商品が家計の強い味方に
そして値上がりがしにくいものは、PB商品です。
PB(プライベートブランド)商品とは、小売り業者などが開発し、製造はナショナルブランドなどが行っているもので、コストを削減しながら手ごろな価格を維持している商品です。西友の「みなさまのお墨付き」やイオンの「トップバリュ」は、今年の6月末までは価格据え置きをすると発表しています。
また、ドン・キホーテの「情熱価格」は、PB(プライベートブランド)からPB(お客さまと一緒に創り上げるピープルブランド)となり、最驚(さいきょう)の商品を生み続けています。
このように、国内でのPB商品の認知度がかなり浸透していることと、品質に関しても認められてきているところもあります。こだわりがないものに関しては、PB商品でも十分でしょう。わが家も調味料といった食品から日用品までそのほとんどがPB商品です。
●買いだめはNG!値上がり商品はポイントや割引で上手に安く買いましょう
食品に関しては、値上がりはしますが買い方の工夫をすれば、安く手に入ることはあります。そもそも購入するお店の工夫だけではなく、セールや割引デー、ポイントアップデー、クーポンやポイントなどさまざまな方法を駆使することで、安く買うことができます。
ですので、慌てて買いだめに走る必要はありません。品薄といった情報が出回ると、最悪パニック買いになり、それは巡りめぐって値段上昇の要因になります。例えばマスクが手に入らない、トイレットペーパーが手に入らないなど、必需品が品薄になると、セールがなくなり、定価で買うことになります。そして場合によっては、高級ティッシュなど高いものしか店頭に並んでいないことも。パニック買いは、百害あって一利なし。日ごろから適正な在庫をローリングストックで備えることが大切と言えるでしょう。
●安くなっている通信費は乗り換えするのがおすすめ
公共料金が軒並み値上がるなか、唯一値下がりをしており、価格競争となっているのが通信費です。見直せば見直すほど安くなるので、これだけ電気やガス代が値上がりしているのであれば、通信費を見直さない手はありません。大手キャリアの中でも、ahamoやPovoといった新料金プラン、Y! mobileといったサブブランドがあり、これらに乗り換えることで、携帯電話料金を安くすることができます。
大手キャリアが新料金プランを発表したころに、格安SIMの各事業者もさらにやすい料金プランを打ち出してきています。衝撃だったのが、楽天モバイルの1回線目1GBまでの0円プランでしょう。さらに楽天SPU(スーパーポイントアッププログラム)+1倍と、楽天経済圏者歓喜の内容となっています。
もちろん、大手キャリアから見直すデメリットもあります。安くなる分窓口のサービスを受けられない、もしくは有料対応になることです。私自身、大手キャリア(ガラケー)と格安SIM(データ通信のみ)、楽天モバイル(息子用)と利用していますが、どのキャリアを使っても大きな問題は起こっていません。
最近では、住宅や車などさまざまな中古価格も上昇しつつあります。新品価格が上昇しているのでやむを得ないところもありますが、それなら今あるものを大切に使うことも、家計を守るためには大切なことでしょう、点検をしつつ、修理やリフォーム、リメイク、そして時にはダイエットをして、大切に使い続けましょう。