ANAの同型式は15機。主力中の主力です。

ファンブレードの非破壊検査の強化などが条件

 国土交通省は2022年3月18日(金)、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製の「PW4000系」エンジンを搭載したボーイング777旅客機の商業運航停止措置を、必要な再発防止策の実施を条件に解除すると発表しました。このタイプはJAL(日本航空)、ANA(全日空)で使用されてきましたが、商業運航に復帰するのは2021年2月以来のことです。


ANAの「PW4000系」エンジンを搭載ボーイング777「JA715A」(乗りものニュース編集部撮影)。

 PW4000を搭載した777は、2021年12月、JAL運航便でエンジンが損傷する事案が発生。2021年2月には、米国・ユナイテッド航空運航便で同様の事案が相次ぎました。そのため国土交通省では、同系列型のエンジンを搭載するJALの13機、ANAの19機の合計32機に、運航の停止などの措置を講じていました。

 国土交通省は「今般、再発防止策の妥当性が確認できた」とし、エンジンのファンブレードの非破壊検査の強化、インレットカウルの強化、火災防止のための改修といった再発防止策を実施することを条件に運航再開を認めます。

 なお、2021年12月からひと足早く、退役にともなう回送飛行(フェリーフライト)など商用便ではないフライトの実施は、条件を満たせば認められており、JAL、ANAともに非商用便での運航は再開済みです。

 現在、JALの「PW4000系」エンジン搭載の777はこの措置を機に商業運航から全機退役。一方ANAは現在、「PW4000系」エンジン搭載の777を15機(777-200ERを8機、777-200を2機、777-300を5機)保有。これらの機体の具体的な復帰時期は未定であるものの、第1四半期中の路線復帰を目指したいとのことです。