インテル、EUに最大10兆円投じ研究・生産施設増強へ。まずドイツで半導体工場新設
インテルは今後10年のあいだに最大800億ユーロ(約10兆3800億円)を投資する計画の第1段階として、ドイツ・ザクセン=アンハルト州のマデルブルグに170億ユーロ(約2.2兆円)で新しい半導体チップ工場を設けることを発表しました。
この計画はスマートフォンなどのモバイル機器から自動車まで、あらゆる製品で需要が増加している半導体の供給不足に対応するための、大手半導体メーカーによる最新の大型投資計画となります。ドイツに工場を設立するメリットとしては、やはり半導体需要が旺盛な自動車メーカーが多いこと。特にフォルクスワーゲンはつい先日もチップ不足のために2021年の販売台数が計画を200万台も下回ったと発表しており、早急なチップ不足の解決を求めています。
ただ、今回の発表で設立される工場が稼働するのは2027年以降になる見込みであり、すぐには半導体不足の解消に至るわけではありません。それでも、インテルは上記計画の第1段階にドイツの半導体チップ工場設置のほかにアイルランドにある既存工場の能力増強、フランスへの研究開発施設の設置、イタリア、ポーランド、スペインでの製造やファウンドリーサービスへの投資など合計330億ユーロ(約4.3兆円)を投資するとしています。
これまでにEU全域で約1万人を雇用してきたインテルですが、今回のドイツでの工場新設では、建設要員として7000人、稼働後の従業員として3000人の雇用を創出する見込みであり、さらに工場のサプライヤーやパートナー企業にも数千人の雇用が生み出されると予想されます。Reutersは、インテルは一連の投資によって欧州に最先端の技術をもたらし、欧州における次世代のチップエコシステムを構築することでサプライチェーンの地域的な偏りを解消する必要性に対応していく予定だと伝えています。
また、欧州での投資計画は、ベルギーのInteruniversity Microelectronics Centre(IMEC)、オランダのデルフト工科大学、フランスの電子情報技術研究所(CEA-Leti)、ドイツのフラウンホーファー研究所といった研究機関とインテルの関係をより強固にすることにもつながります。
インテルCEOのパット・ゲルシンガー氏は「EU半導体法は半導体業界における欧州の地位を大きく向上させるため民間企業と政府が協力するのを後押しするもの」だと述べ、「この広範な取り組みによって欧州の研究開発のイノベーションや最先端の生産拠点が生まれることで、世界中の顧客やパートナーにも利益をもたらすことになるだろう」と述べました。
インテルは工場を欧州の様々な国に分散設置することで、各国からより多くの補助金を引き出すことができ、互いに良好な関係を築き上げることができそうです。ただReutersによると、欧州委員会はインテルだけでなく他のチップメーカーとも同様の交渉を行っており、今後数か月のうちにはやはり欧州への巨大投資の発表をしたいと考えているとのことです。今後10年のあいだに、半導体生産拠点を記す世界地図は大きく様変わりしていくことになるかもしれません。
Source:Intel
via:Reuters
