26年前の3月16日、夜行快速「ムーンライトながら」が運行開始しました。

「大垣夜行」を引き継いで誕生


東京〜大垣間を結んだ「ムーンライトながら」(2009年、恵 知仁撮影)。

 1996(平成8)年の3月16日。JR東海道線の東京〜大垣間を走る夜行快速「ムーンライトながら」が運行開始しました。特急料金が不要で、夜間に長距離移動ができることから、「青春18きっぷ」ユーザーを中心に安価な移動手段として人気を博しました。

 かつて東海道線には国鉄時代から、いわゆる「大垣夜行」として夜行列車が運行されてきました。それがリニューアルされ、最新鋭の373系電車を起用して誕生したのが、この「ムーンライトながら」です。乗り心地が不評だった「直角シート」からリクライニングシートに生まれ変わったほか、「大垣夜行」が小田原まで各駅停車だったのを主要駅停車のみにし、混雑緩和を図りました。

 当初は「小田原まで全車指定席」だったのが、2007(平成19)年から「豊橋まで全車指定席」に変更。それまでは18きっぷシーズンを中心に、自由席車両はすし詰め状態となるのが風物詩でしたが、そんな深夜の光景も解消されました。

 2009(平成21)年3月から「ムーンライトながら」は春・夏・冬の休暇シーズンのみの運行に。車両は183系電車、2013(平成25)年12月からは185系電車へ引き継がれたあと、2020年3月、使用車両の老朽化を理由に運行を終了しました。

 ちなみに、「ムーンライトながら」に寄り添うように、多客シーズンにもう1本の夜行快速列車が走っていました。それが「臨時大垣夜行」と呼ばれる臨時列車で、165系電車などが使用されていました。のちにこちらも「ムーンライトながら」(91・92号)となり、2008年度まで本家をサポートしていました。