「バスターミナル東京八重洲」9月開業へ 東京駅前の地下に新BT バス停どう再編?
東京駅前で建設中の新バスターミナル、名称は「バスターミナル東京八重洲」に決まりました。バスターミナルを基軸とした官民連携の一大再開発プロジェクトにより、東京駅前の地下、そして地上のバス停も大きく変わりそうです。
「バスターミナル東京八重洲」に名称決定 商業施設は「ミッドタウン」
UR都市機構と京王電鉄バスが東京駅八重洲口の駅前で整備を進めている新バスターミナルが、2022年3月15日(火)に報道公開されました。
建設中のバスターミナル。地下2階に乗り場が設けられる(中島洋平撮影)。
今回、その正式名称「バスターミナル東京八重洲」、ならびにロゴマークも発表されました。そのロゴマークは、3つ並んだ長方形の下に紫のひし形が2つあしらわれており、「3棟の再開発ビルの地下に整備されるバスターミナルの位置」を表しているといいます。
再開発ビルとバスターミナルは3期に分けて整備されますが、うち第1期エリアの開業予定が、9月17日(土)と発表されました。東京駅八重洲南口のJR高速バスターミナルから、外堀通りをはさんだ位置に建設中のビルです。
バスターミナルの上は、三井不動産が整備する「東京ミッドタウン八重洲」になります。六本木、日比谷に次ぐ3つ目のミッドタウンです。バスターミナルのフロアの商業施設は9月17日に先行オープンし、それより上層階のグランドオープンは2023年3月が予定されています。
バスターミナルは日本最大級に
バスターミナルは1〜3期エリア合計で2万1000平方メートル、20バース(乗降場)となり、バスタ新宿を上回る日本最大規模になるといいます。
それもさることながら、「特筆すべきは、東京駅前という立地」と、UR都市機構 東日本都市再生本部長の村上卓也さんは強調しました。新幹線をはじめとした各線が乗り入れる東京の玄関口その周辺の路上に点在するバス停を集約することで「東京の国際競争力の強化」につなげるといいます。
周辺バス停は新バスターミナルへ移転
第1期エリアは6バース(乗り場)を有し、1日あたり550便以上が発着できるそう。全体開業時には、1日1500便以上が発着できるといいます。
新バスターミナルへの移転には優先順位がつけられており、まずは「八重洲口周辺の路上バス停」。これらは主に千葉方面への昼行の高速バスが発着しています。
次が「東京駅鍛冶橋駐車場」です。いわゆる「高速ツアーバス」から乗合バスへバス事業者のため、暫定的にバスターミナルとして使われている東京都の公共駐車場のこと。名古屋、大阪、仙台といった都市間の夜行バスが主に発着しています。
これらが、第1期のバスターミナルへ移行します。さらに2期、3期と整備を進めることで、増便や新規バス路線、貸切バス、また丸の内側に発着している定期観光バス(はとバスなど)の受け入れも想定しているとのことです。
「バスターミナル東京八重洲」のロゴ(中島洋平撮影)。
ただ、全体開業までは、あと6年ほどかかる見込みです。八重洲大通りをはさんだ北側の第2期エリア再開発は、2021年10月に着工したばかりで、開業は2025年度の予定。今回の第1期の南側に隣接する第3期エリアは、2024年度着工、2028年度竣工の予定となっています。
ちなみに、新バスターミナル移行後、周辺の路上バス停や鍛冶橋駐車場はどうなるのかと聞いたところ、路上のバス停については「関係者としては路上環境をよくしていきたいと考えており、各事業者には“継続していただきたくない”と伝えている」(UR都市機構 大貫英二担当部長)とのこと。鍛冶橋駐車場については、東京都の判断になるということです。