首都圏のJR「長距離電車」ダイヤ改正でどうなった? 200kmの長旅は当たり前!ユニークな行先も
首都圏JRの一般列車(特急のぞく)のうち、100km以上を走破する長距離列車を調査。いずれも走行距離は200km超ですが、意外なルートで100キロ以上走る列車もあります。
ダイヤ改正で最長列車が消滅
首都圏を走るJRの列車には、特急列車でなくとも、かなり長い距離を走る列車があります。ここではJR東日本の東京近郊区間を中心に、2022年3月ダイヤ改正後の、長距離を走る定期普通列車(快速類を含む)を紹介します。
東海道線や高崎・宇都宮線で活躍するE233系電車(画像:photolibrary)。
まず200kmを超える長距離を走破するのが、「上野東京ライン」を経由する、東海道線〜高崎線・宇都宮線の路線系統です。東京を起点に南は熱海・沼津・伊東、北は高崎・前橋・宇都宮まで、首都圏を縦断するように最大15両の列車が走り抜けます。
2022年3月のダイヤ改正で、ここに変化が起きます。これまで首都圏JRの最長距離列車に君臨していた「熱海発・黒磯行き」の列車が消滅。これは宇都宮線の運転系統が宇都宮駅で完全に分離され、必ず乗り換えが必要となったことによります。「熱海〜黒磯」が消えたあと、200km以上を走破する列車は次の通り。
・宇都宮〜沼津(235.7km、土休日1本)、沼津〜宇都宮(4本)
・宇都宮〜伊東(231.0km、1本)、伊東〜宇都宮(平日1本・土休日2本)
・高崎〜沼津(231.2km、2本)
・高崎〜伊東(226.5km、1本)、伊東〜高崎(土休日1本)
・前橋〜熱海(219.4km、平日3本・土休日2本)、熱海〜前橋(平日1本・土休日2本)
ほかにもユニークな「100km超え列車」が
その他にも運行距離100kmを超える列車が各地にあります。
2021年3月ダイヤ改正で誕生したのが、房総をぐるりと回る内房線・外房線の「木更津〜上総一ノ宮」の列車です。運行距離は138.4km、乗車時間は3時間にもなります。房総半島南部の列車の大半は、このロングラン列車となっています。
常磐線の「品川発・高萩行き」も長距離列車です。高萩駅は水戸駅、日立駅のさらに先にある駅で、運行距離は175.1km、乗車時間は3時間強です。なお、2022年3月のダイヤ改正で、品川発20時24分から16時35分に移動。運行される時間帯が早くなっています。逆の高萩発・品川行きは、朝に数本が運行されています。
横須賀・総武線快速にも、久里浜〜上総一ノ宮(152.6km)のほか、横須賀線・総武線・成田線・鹿島線と4線をまたいで159.6kmを走破する「久里浜発・鹿島神宮行き」という列車が、平日の夕方に1本だけ走っています(休日は東京発)。これは成田空港行きと併結し。総武線の佐倉駅で切り離しを行います。逆向きの列車は、鹿島神宮発6時2分。平日は東京行き、土休日は大船行きです。
中央線快速はラッシュ時に、大月駅から富士急行線の河口湖駅まで乗り入れる列車があります。東京〜河口湖の運行距離は114.4km、乗車時間は約3時間です。
ちなみに北関東では、両毛線から宇都宮線に直通し、高崎〜小山〜黒磯間174.kmを3時間半かけて走る列車がありましたが、2018年3月のダイヤ改正で廃止になっています。